令和2年 司法試験 短答式 憲法 第20問 解説
問題
憲法の法源に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.硬性憲法の原則を重視する立場をとっても,憲法の空白を埋める事実が反復・継続された場合に,国家機関を政治的に拘束する憲法慣習の成立を認めることができる。
イ.判例が,後の裁判を法的に拘束するという立場をとるならば,法律の合憲性に関する最高裁判所の判例を変更することは,後の最高裁判所であっても,許されない。
ウ.条約の国内法的効力は憲法に劣るという立場をとるならば,裁判所が,立法事実の存否を判断するための資料として,国際人権条約を参照することは,許されない。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×正解
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
硬性憲法の原則は慣習に憲法典を改廃する法的効力を認めない趣旨にとどまり、法的効力を伴わず国家機関を政治的に拘束するにすぎない憲法慣習の成立は否定されない(ア○)。判例に法的拘束力を認める立場でも最高裁が大法廷で自らの先例を変更することは可能であり、判例拘束性は絶対的な自己拘束を意味しない(イ×)。条約の国内法的効力が憲法に劣るという効力序列の問題と、立法事実の認定資料として条約を参照することとは次元が異なり、後者は禁止されない(ウ×)。
結論
正解は選択肢4(ア○イ×ウ×)である。硬性憲法の原則は、政治的拘束力にとどまる憲法慣習の成立と両立し(ア○)、最高裁判所は自らの先例に絶対的に拘束されるわけではなく判例変更が可能であり(イ×)、条約の国内法的効力が憲法に劣るとしても立法事実認定の資料として条約を参照することは禁止されない(ウ×)。
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出典:法務省「令和2年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
