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令和2年 司法試験 短答式 刑法 第14問 解説

令2司法 第14問刑法放火罪の過去問

問題

放火罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものを2個選びなさい。 1.甲が自己の所有する空き家に放火したが,公共の危険が生じなかった場合,甲には,非現住建造物等放火未遂罪が成立する。 2.甲が乙に頼まれて,乙所有の大型家具を,丙が居住する家屋に近接する甲所有の畑地で燃やし始めたところ,周辺に火の粉が飛び散り,予期に反して,同家屋の屋根のひさしに飛び火して,同ひさしを焼損させたところで火が消し止められた場合,甲には,延焼罪が成立する。 3.甲が住宅内にいる乙を殺害する目的で放火し,住宅が焼失した上,乙が死亡した場合,甲には,殺人罪は成立せず,現住建造物等放火罪のみが成立する。 4.甲が,一部の部屋のみが現に住居に使用されている木造の集合住宅の空き部屋に放火し,同室のみを焼損させた場合,甲には,現住建造物等放火罪が成立する。 5.甲が憂さ晴らしの目的で,甲の世帯を含めて計30世帯が居住するマンション内部に設置されたエレベーターのかご内に,灯油を染み込ませて点火した新聞紙を投げ入れて放火したが,エレベーターのかごの側壁を焼損したにとどまり,住居部分には延焼しなかった場合,甲には,現住建造物等放火未遂罪が成立する。 ※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
  1. ①1と2
  2. ②1と3
  3. ③1と4
  4. ④1と5
  5. ⑤2と3
  6. ⑥2と4正解
  7. ⑦2と5
  8. ⑧3と4
  9. ⑨3と5
  10. ⑩4と5

解説

要点
自己所有の非現住建造物等放火(109条2項)は公共の危険が生じなければただし書により不可罰で、未遂処罰規定(112条)も及ばない。所有者の承諾ある他人所有物は自己所有物に準じて110条2項とされ、そこから現住建造物に延焼すれば111条1項の延焼罪(結果的加重犯)。建物の一部が現に住居に使われていれば全体が現住建造物となり、マンションのエレベーターかごも現住建造物の一部で、その側壁の焼損で既遂。放火と殺人の目的が重なる場合は両罪が成立し観念的競合となる。

結論

正しいのは記述2と記述4であり、選択肢6が正解である。記述2は延焼罪(刑法111条1項)の成立要件を満たし、記述4は建物の一部が現に住居として使用されていれば建物全体が現住建造物となるという判例法理により現住建造物等放火罪が成立する。

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出典:法務省「令和2年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。