令和元年 司法試験 短答式 民法 第8問 解説
問題
所有権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.土地の使用収益の権原なく播種された種子が苗に生育した場合,その苗の所有権は,播種した者ではなく,その土地の所有者が取得する。
イ.立木の所有権に関する明認方法は,現所有者と前所有者が共同して,現所有者名のほか,所有権の取得原因,前所有者名を表示することが必要である。
ウ.甲土地とその上の立木を所有するAが立木の所有権を留保して甲土地をBに譲渡した後,BがCに甲土地を立木とともに譲渡した場合,Aは,立木の所有権の留保について登記や明認方法を備えなくても,立木の所有権をCに主張することができる。
エ.甲土地とその上の立木を所有するAがBに甲土地を立木とともに譲渡し,甲土地についてAからBへの所有権移転登記がされた後,CがAから立木のみを譲り受け,立木について明認方法を備えた場合,Cは立木の所有権をBに主張することができる。
オ.加工者が他人の木材のみを材料としてこれに工作を加えた場合において,その工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるときは,加工者がその加工物の所有権を取得する。
- ①ア エ
- ②ア オ正解
- ③イ ウ
- ④イ エ
- ⑤ウ オ
解説
要点
無権限で播種された種子が生育した苗は土地に付合し土地所有者が取得する(242条の趣旨)。他人の材料のみに工作を加えた加工物は、工作により生じた価格が材料の価格を著しく超えれば246条1項ただし書により加工者が取得する。立木の明認方法は現所有者の表示で足り、譲渡・留保の対抗関係は登記・明認方法の先後で決まる。
結論
アとオが正しく、選択肢2が正解である。無権限で播種された種子が生育した苗は土地に付合し土地所有者が取得するというのが判例の考え方であり、他人の材料のみに工作を加えた加工物の所有権も246条1項ただし書の要件(工作によって生じた価格が材料の価格を著しく超えるとき)を満たせば加工者に帰属する。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
