令和元年 司法試験 短答式 民法 第2問 解説
問題
Aがその財産の管理人を置かないで行方不明となったことから,家庭裁判所は,Bを不在者Aの財産の管理人として選任した。この事例に関する次のアからオまでの各記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aが甲土地を所有している場合,BがAを代理して甲土地をCに売却するためには,家庭裁判所の許可を得る必要がある。
イ.Aが所有する現金が発見された場合,BがAを代理してその現金をD銀行のA名義普通預金口座に預け入れるためには,家庭裁判所の許可を得る必要はない。
ウ.AがEに対して借入金債務を負っており,その債務が弁済期にある場合,BがAのためにEに対しその債務の弁済をするためには,家庭裁判所の許可を得る必要はない。
エ.Aが被相続人Fの共同相続人の一人である場合,BがAを代理してFの他の共同相続人との間でFの遺産について協議による遺産分割をするためには,家庭裁判所の許可を得る必要はない。
オ.Aに子Gがいる場合,BがAを代理してGに対し結婚資金を贈与するためには,家庭裁判所の許可を得る必要はない。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ
- ⑤エ オ正解
解説
要点
不在者財産管理人の権限は民法103条の保存行為・利用改良行為に限られ、これを超える処分行為(不動産売却・遺産分割協議・贈与)には家庭裁判所の許可(28条)が必要。預金への預入れや期限到来債務の弁済は保存行為として許可不要。
結論
誤っている記述はエとオであり、選択肢5が正解である。エの遺産分割協議、オの贈与はいずれも財産を処分し不在者に不利益を及ぼしうる行為であって民法103条の権限を超えるため、家庭裁判所の許可が必要になるのに、両記述は「許可は不要」としている点で誤っている。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
