令和元年 司法試験 短答式 憲法 第5問 解説
問題
表現の自由の制約の合憲性に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.軽犯罪法第1条第33号は,「みだりに他人の家屋その他の工作物にはり札をし」た者を処罰の対象としているところ,はり札をする行為自体は思想を外部に発表する手段の1つであると認められるものの,その手段が他人の財産権,管理権を不当に害することは許されないから,この程度の規制は,公共の福祉のため,許された必要かつ合理的な制限であるというべきである。
イ.公職選挙法第138条第1項は,選挙に関し,投票を得るなどの目的をもって「戸別訪問をすること」を禁止しているところ,戸別訪問は,容易に他の方法により代替され得るものではなく,通常,それ自体何らの悪性を有するものでもないから,その規制の合憲性を判断するに当たっては,他に目的を達成することができるより狭い範囲の規制方法があるか否かを検討すべきである。
ウ.関税法第69条の11第1項第7号(旧関税定率法第21条第1項第3号)は,輸入を禁止する物品として「風俗を害すべき書籍,図画」等と規定しているが,我が国内における健全な性的風俗を維持確保すべきことは公共の福祉に合致するものである上,「風俗」という用語が「性的風俗」を意味することはその文言自体から明らかであるので,明確性の原則にも反せず,このような制限はやむを得ない。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×正解
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
戸別訪問禁止合憲判例はLRA基準を採らず「弊害防止のための間接的・付随的制約」「合理的関連性」という枠組みで合憲とした点、税関検査事件は「風俗」の意味が文言自体から明らかというのではなく合憲限定解釈によって明確性を確保した点を区別して覚える。
結論
選択肢4(ア○イ×ウ×)が正しい。アの軽犯罪法はり札規制判例の内容は正確だが、イは最高裁が採る戸別訪問禁止合憲の理由付けとLRA基準の適用を混同しており誤り、ウは税関検査事件の判断枠組み(合憲限定解釈)を「文言自体から明らか」と誤って記述している点で誤りである。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
