令和元年 司法試験 短答式 刑法 第19問 解説
問題
身分犯の共犯に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものを2個選びなさい。
1.刑法第65条の身分には一時的な心理状態は含まれないので,目的犯に当たる犯罪行為を,当該目的を有する者と有しない者が共同して行った場合,同条の適用の余地はない。
2.刑法第65条第2項は加減的身分のない者が当該身分のある者に加功した場合について規定するものであるので,賭博の常習性を有する者が有しない者に賭博を教唆した場合,同項の適用の余地はない。
3.非占有者が業務上の占有者による横領行為に加功した場合,当該非占有者には,刑法第65条第1項の適用により業務上横領罪の共犯が成立し,同条第2項の適用により単純横領罪の刑が科される。
4.刑法第65条の身分は,一定の犯罪行為に関する犯人の人的関係である特殊の地位又は状態の全てを指称するものであるので,責任能力のある者が刑事未成年者を教唆して犯罪を行わせた場合,同条が適用される。
5.自首による刑の減免は一身的な事由であるので,共犯者のうち一人に自首が成立する場合,刑法第65条第1項の適用はなく,その減免の効果は自首した者以外には及ばない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5正解
- ⑩4と5
解説
要点
65条1項は真正身分犯(占有者・公務員等)の連帯的作用、2項は不真正身分犯(常習性・業務性等の加減要素)の個別的作用を定める。横領罪の非占有者×業務者パターンは1項+2項の複合適用が判例の定石。自首や責任能力の有無は『身分』ではなく一身的事由・責任要素であり65条は及ばない。
結論
正しいのは記述3と記述5であり、選択肢9(3と5)が正解である。記述3は非占有者が業務上横領に加功した場合の判例の処理(65条1項+2項の複合適用)を正確に述べており、記述5は自首が一身的な刑の減免事由であって65条(身分犯規定)の適用場面ではないことを正しく指摘している。
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出典:法務省「令和元年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
