平成29年 司法試験 短答式 民法 第37問 解説
問題
契約の第三者に対する効力に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.建物建築工事請負契約において,注文者と請負人との間に,契約が中途で解除された際の出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合に,当該契約が中途で解除されたときは,その請負人が下請負人に当該工事を請け負わせ,下請負人が自ら材料を提供して出来形部分を築造したとしても,当該出来形部分の所有権は注文者に帰属する。
イ.債務者と引受人との間の契約でする併存的債務引受は,債権者が引受けによる利益を享受する意思を表示しなくても,その効力が生ずる。
ウ.委任による代理人が適法に復代理人を選任した場合において,その復代理人が委任事務を処理するに当たり金銭その他の物を受領したときは,復代理人は,本人に対して受領物を引き渡す義務を負う。
エ.受寄者が寄託された宝石を適法に第三者に保管させたときは,その第三者は寄託者に対して,保管費用の償還を請求することができる。
オ.賃借人が適法に賃借物を転貸したときは,転借人は賃貸人に対して,賃借物の修繕を請求することができる。
- ①ア イ
- ②ア ウ
- ③イ オ正解
- ④ウ エ
- ⑤エ オ
解説
要点
契約の効力が契約当事者以外の第三者(下請負人・復代理人・再受寄者・転借人)に及ぶかは、条文の文言と当該規定の趣旨(誰を保護するための規定か)に立ち返って判断する。613条1項のように「義務のみを直接負わせる」規定と、106条2項・658条3項のように「権限の範囲内で同一の権利義務を有する」と定める規定を区別することが鍵。
結論
誤っているのはイとオであり、選択肢3が正しい。イは併存的債務引受が債務者と引受人との契約でされる場合、債権者の承諾(受益の意思表示に相当)がなければ効力を生じない点を見落としており、オは転貸借における613条1項が転借人の義務のみを直接効の対象とし、修繕請求のような権利までは転借人に認めていない点を見落としている。
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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
