平成29年 司法試験 短答式 刑法 第10問 解説
問題
信用及び業務に対する罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
- ①威力業務妨害罪における「威力」は,暴行又は脅迫を用いることを要し,騒音喧騒により人の意思を制圧して業務を妨害した場合,同罪は成立しない。
- ②偽計業務妨害罪における「偽計」は,直接人に向けられていなくてもよい。正解
- ③信用毀損罪における「信用」は,人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼に限定されず,経済的側面とは関係のない社会的な信頼を害した場合も,同罪が成立する。
- ④業務妨害罪における「業務」は,社会生活上又は個人生活上の地位に基づき反復継続して従事する事務であるから,学生の学習活動を妨害した場合も,同罪が成立する。
- ⑤信用毀損罪は危険犯であるが,業務妨害罪は侵害犯である。
解説
要点
偽計業務妨害の「偽計」は直接人に向けられる必要はなく、機械・システムへの不正な働きかけでもよい(マジックホン事件)。威力・信用・業務の各概念と抽象的危険犯性も整理する。
結論
正しいのは選択肢2である。偽計業務妨害罪における「偽計」は、人を欺罔し、又は人の錯誤・不知を利用する一切の手段をいい、判例上これは必ずしも特定人に直接向けられる必要はなく、機械やシステムに対する不正な働きかけなど、間接的な手段でも該当し得る。
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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
