平成28年 司法試験 短答式 民法 第13問 解説
問題
先取特権に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.建物の賃貸人は,賃借人が賃料を支払わない場合,敷金を受け取っており,未払賃料額が敷金額の範囲内であっても,賃借人が当該建物に備え付けた動産について先取特権を行使することができる。
イ.建物の賃借人が,家具店から購入して当該建物に備え付けたタンスについて未だ売買代金を支払わず,かつ,建物の賃料の支払も怠っている場合,家具店が当該タンスについて有する先取特権は,建物の賃貸人が当該タンスについて有する先取特権に優先する。
ウ.会社の従業員は,会社が給料を支払っていない場合,その給料債権につき,未払となっている期間にかかわらず,当該会社の総財産について先取特権を有する。
エ.会社が,電器店から購入した冷蔵庫の売買代金を支払わず,かつ,従業員への給料も支払っていない場合,電器店が当該冷蔵庫について有する先取特権は,従業員が当該冷蔵庫について有する先取特権に優先する。
オ.債務者が約定担保物権,留置権及び特別の先取特権の目的とされていない不動産と動産を有している場合,一般の先取特権者は,まず不動産から弁済を受け,なお不足がある場合に動産から弁済を受ける。
- ①ア ウ
- ②ア オ
- ③イ エ
- ④イ オ
- ⑤ウ エ正解
解説
要点
一般先取特権と特別先取特権が競合すれば特別先取特権が優先し(329条2項)、一般先取特権はまず動産、次に不動産の順で行使する(335条1項)。雇用関係の先取特権は平成15年改正で期間制限が撤廃され全期間の給料に及ぶ。
結論
正しいのはウとエであり、選択肢5が正解である。ウは雇用関係の先取特権(民法306条2号・308条)が期間の制限なく会社の総財産に及ぶこと、エは特別の先取特権(動産売買の先取特権)が一般の先取特権(給料債権)に優先すること(329条2項)を正しく述べている。
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出典:法務省「平成28年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
