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平成28年 司法試験 短答式 刑法 第3問 解説

問題

次の【事例】に関する後記1から5までの各記述のうち,甲に窃盗罪の従犯の成立を肯定する論拠となり得ないものはどれか。【事 例】甲は,乙又は乙の友人が窃盗罪を犯そうとしていることを知り,その手助けのため,乙に対し,同罪の遂行に必要な道具を貸したところ,さらに,乙はその道具を友人丙に貸し,丙がこれを用いて同罪を犯した。なお,丙には同罪の正犯が成立し,乙にはその従犯が成立するものとする。
  1. ①従犯には独立した犯罪性が認められる。
  2. ②従犯の幇助には,教唆者を教唆した者については正犯の刑を科すとする刑法第61条第2項のような規定がない。正解
  3. ③共犯は修正された構成要件に該当する行為であるところ,従犯もその構成要件においては「正犯」となる。
  4. ④幇助は正犯を容易にすることであるという定義からすると,幇助行為が直接的になされたか,間接的になされたかは必ずしも問われない。
  5. ⑤教唆犯に対する幇助行為は従犯として処罰される。

解説

要点
幇助の幇助(間接幇助)は、幇助が正犯の実行を容易にする行為であれば直接・間接を問わないという理解や、幇助犯を修正された構成要件上の『正犯』とみる見方、教唆犯に対する幇助も従犯となるとの理解からの類推により肯定できる。これに対し、61条2項のような間接教唆の明文規定が幇助にはないという指摘は、むしろ処罰を否定する方向の論拠になりうる点に注意。

結論

選択肢2が正解である。61条2項は間接教唆(教唆の教唆)を教唆犯として処罰する明文規定であり、これに対応する規定が従犯(幇助)には存在しないという事実は、間接幇助(幇助の幇助)の処罰を条文上支える根拠にはならず、むしろ「明文がないから処罰できないのではないか」という否定方向の指摘になる。したがって甲の従犯成立を肯定する論拠とはなり得ない。

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出典:法務省「平成28年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。