平成28年 司法試験 短答式 刑法 第11問 解説
問題
過失犯に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
- ①監督過失とは,直接行為者が過失を犯さないように監督する注意義務に違反する過失をいう。監督過失を認めるには,直接行為者に構成要件的結果が発生することの予見可能性があれば足り,直接行為者を監督すべき立場にある監督者には,構成要件的結果が発生することの予見可能性までは必要とされない。
- ②重過失とは,注意義務違反の程度が著しく,それによって発生した構成要件的結果が重大なものをいう。
- ③信頼の原則は,交通事故の過失犯だけに適用されるものであり,それ以外の過失犯に適用される余地はない。
- ④注意義務に違反して人を負傷させた場合であっても,相手方に重大な過失があったときには,過失相殺が適用されるので,過失の責任を免れることができる。
- ⑤過失犯の成立に必要な注意義務は,必ずしも法令上の根拠があることを要しない。正解
解説
要点
過失犯における注意義務は法令上の根拠を要せず、社会生活上の条理・慣習等から導かれる。監督過失には監督者自身の予見可能性が必要であり、信頼の原則は交通事故に限られず医療・組織的分業にも及ぶ。
結論
選択肢5が正しい。過失犯の成立に必要な注意義務は、法令に明文の根拠がなくても、社会生活上要求される具体的な注意義務として認められる。選択肢1・2・3・4はいずれも判例の理解と食い違う。
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出典:法務省「平成28年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
