平成26年 司法試験 短答式 刑事訴訟法 第26問 解説
問題
次のⅠないしⅣの【見解】は,医師が捜査機関の依頼に基づき,人の身体から注射器を用いて血液を採取するに当たり,相手方の意思に反して直接強制して採取するために必要と考えられる令状に関するものである。【見解】に関する後記アからオまでの【記述】のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5までのうちどれか。【見 解】Ⅰ.身体検査令状によるべきである。Ⅱ.鑑定処分許可状によるべきである。Ⅲ.身体検査令状と鑑定処分許可状を併用すべきである。Ⅳ.捜索差押許可状によるべきである。【記 述】
ア.Ⅰの見解に対しては,捜査機関が血液を採取するわけではないとの批判がある。
イ.Ⅱの見解に対しては,鑑定処分としての身体検査の域を超えるから許されないとの批判がある。
ウ.Ⅱの見解に対しては,直接強制するための明文の規定が存しないとの批判がある。
エ.Ⅲの見解に対しては,採血が検証としての身体検査の域を超える以上,併用することに意味がないとの批判がある。
オ.Ⅳの見解に対しては,人の老廃物である尿と血液とを区別して考える必要はないとの批判がある。
- ①ア ウ
- ②ア エ
- ③イ ウ
- ④イ オ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
強制採血の令状論では、各説がどの条文の要件(身体検査令状=検証としての身体検査で直接強制可、鑑定処分許可状=鑑定に必要な処分だが139条の準用がなく直接強制規定なし、捜索差押許可状=押収物としての血液)に依拠し、どの弱点を突かれるのかを対応させて覚える。批判の中身が当該見解に本当に当てはまるか(他説向けの批判や逆向きの記述になっていないか)がこの問題の核心。
結論
誤っているのはイとオであり、選択肢4が正解である。イは、鑑定処分としての身体検査(刑訴法168条1項)が鑑定人の専門的知識による身体内部への侵襲を含む処分であることを見落としており、採血が「鑑定処分としての身体検査の域を超える」という前提自体が成り立たない(「身体検査の域を超える」という批判は、検証としての身体検査に依拠するⅠ・Ⅲに向けられるものである)。オは、血液は身体を構成する一部であって体外に排出された老廃物である尿とは異なるという実際の批判内容を、逆に記述している。
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出典:法務省「平成26年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
