平成23年 司法試験 短答式 民事訴訟法 第63問 解説
問題
Xは,Aから甲土地を買ったと主張して,甲土地を占有しているYに対し,所有権に基づき甲土地の明渡しを求める訴えを提起したところ,Yは,Aが甲土地を所有していたことは認めるが,Aから甲土地を買ったのはXではなくBであると主張した。Yからこれ以外の主張がなかった場合における次のア及びイの裁判所の判決に関する後記1から4までの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
ア.裁判所は,証拠調べの結果,Aから甲土地を買ったのはXではなくCであったとの事実を認定して,Xの請求を棄却する判決をした。
イ.裁判所は,証拠調べの結果,XはAから甲土地を買った後にこれをCに売ったとの事実を認定して,Xの請求を棄却する判決をした。
- ①ア及びイの判決は,いずれも弁論主義に反する。
- ②アの判決は弁論主義に反しないが,イの判決は弁論主義に反する。正解
- ③アの判決は弁論主義に反するが,イの判決は弁論主義に反しない。
- ④ア及びイの判決は,いずれも弁論主義に反しない。
解説
要点
請求原因事実(Xが買ったこと)の不存在を基礎付ける事実(実は第三者が買った)は主要事実の存否判断のための間接事実にすぎず弁論主義の対象外だが、権利消滅・喪失を基礎付ける新たな抗弁事実(買った後に第三者へ売った)は当事者の主張がない限り認定できない。
結論
アの判決は、Xの請求原因事実である「XがAから買った」ことの存否を判断する過程で「実はCが買った」という事情を認定したにすぎず、弁論主義には反しない。イの判決は、Yが主張していない「Xが所有権をいったん取得した後にCへ売却した」という新たな権利消滅の主要事実を、当事者の主張なしに認定しているため弁論主義に反する。したがって選択肢2が正しい。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
