平成23年 司法試験 短答式 行政法 第29問ウ 解説
問題
運転免許証(以下「免許証」という。)の有効期間の更新に当たり,一般運転者(優良運転者又は違反運転者等以外の者)として扱われ,優良運転者である旨の記載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者が,当該更新処分中の同人を一般運転者とする部分の取消し等を求めた事案において,訴えの利益の有無について判断を示した最高裁判所平成21年2月27日第二小法廷判決(民集63巻2号299頁)の次の判示を読み,後記アからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。「確かに,免許証の更新処分において交付される免許証が優良運転者である旨の記載のある免許証であるかそれのないものであるかによって,当該免許証の有効期間等が左右されるものではない。また,上記記載のある免許証を交付して更新処分を行うことは,免許証の更新の申請の内容を成す事項ではない。しかしながら,上記のとおり,客観的に優良運転者の要件を満たす者であれば優良運転者である旨の記載のある免許証を交付して行う更新処分を受ける法律上の地位を有することが肯定される以上,一般運転者として扱われ上記記載のない免許証を交付されて免許証の更新処分を受けた者は,上記の法律上の地位を否定されたことを理由として,これを回復するため,同更新処分の取消しを求める訴えの利益を有するというべきものである。」(注)道路交通法第101条の2の2第1項及び第108条の2第1項第11号並びに道路交通法施行規則(平成18年内閣府令第4号による改正前のもの)第38条第12項によれば,免許証の更新の申請等に関する優良運転者の特例として,①免許証の更新を受けようとする者のうち当該更新を受ける日において優良運転者に該当するものは,更新申請書の提出を,住所地を管轄する公安委員会以外の公安委員会を経由して行うことができ,また,②更新時講習は,優良運転者,一般運転者又は違反運転者等の区分に応じて行うものとされているところ,優良運転者に対する講習は,「道路交通の現状及び交通事故の実態」等の講習事項につき教材を用いた講習方法により30分行うこととされているのに対し,一般運転者に対する講習は,「自動車等の運転について必要な適性」の講習事項が加わり,筆記検査に基づく指導を含む講習方法によって1時間行うこととされている。
ウ.本判決によれば,優良運転者に区分されるべき者に対して優良運転者である旨の記載のない免許証を交付して更新処分を行うことは,その者の名誉,信用等を損なうものであるから,訴えの利益を根拠付ける不利益に当たることになる。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
訴えの利益の有無は、処分により法律上の地位(更新時講習の内容や申請手続上の特例といった具体的な法的取扱いの差異)が否定されたかどうかで判断されるのであって、名誉・信用等の人格的・事実上の利益の侵害は理由とされていない。
結論
選択肢2(誤っている)が正しい。本判決は、優良運転者である旨の記載のない免許証を交付されたことが訴えの利益を基礎付けるのは、優良運転者として扱われる法律上の地位を否定されたことによるものであり、名誉・信用等の人格的利益の侵害を理由とはしていない。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
