平成23年 司法試験 短答式 刑事訴訟法 第25問イ 解説
問題
次の【事例】に関する検察官の処理について述べた後記アからオまでの【記述】のうち,正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。【事 例】甲は,平成22年4月1日午前9時50分,H県I市内において,司法警察員から職務質問を受けた際,所持品の検査に応じ,「窃盗の目的でVの邸宅に侵入するのに使用するため,ガラス切りを隠して携帯していた」旨を述べてガラス切りを所携のバッグから取り出したものの,住居については,一切答えなかった。そこで,司法警察員は,甲の住居が明らかでない上,甲に軽犯罪法違反(同法第1条第3号違反)に該当する「正当な理由がなくてガラス切りを隠して携帯していた」事実が認められたことから,同日午前10時,同事実により甲を現行犯逮捕した。その後の捜査により,甲が窃盗を行っていたことも判明したものの,依然として,甲の住居は判明しなかった。司法警察員は,同月3日午前9時30分,甲の身柄とともに軽犯罪法違反及び窃盗の両事実をH区検察庁検察官に送致する手続をした。その後,検察官は,同日午前10時30分,送致された甲を受け取った。【記 述】
イ.検察官は,軽犯罪法違反の事実のみならず窃盗の事実も併せて甲を勾留請求することができる。
- ①正しい正解
- ②誤っている
解説
要点
逮捕前置主義は、勾留請求に際し逮捕を経た事実が含まれていることを要求するにとどまる。実務・多数説は、逮捕を経ていない別事実を併せて勾留請求することも許されるとする(別途逮捕すれば身体拘束がかえって長期化し被疑者に不利益となる)。なお軽犯罪法違反は拘留・科料のみの罪であるから、勾留には住居不定が必要(刑訴法60条3項)。
結論
選択肢1(正しい)が公式の正解であり、妥当である。甲は軽犯罪法違反の事実で現行犯逮捕されており、この事実について勾留請求がされる限り逮捕前置主義の要請は満たされる。そして、逮捕を経ていない窃盗の事実を併せて勾留請求することも、実務上許されると解されている。なお、軽犯罪法違反は拘留又は科料のみに当たる罪であるが、甲は住居が明らかでないため、刑訴法60条3項の制約もクリアしている。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
