平成23年 司法試験 短答式 刑法 第17問 解説
問題
次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討し,正しいものを2個選びなさい(ただし,甲は,記述4を除いて,当初から,対象物が財産に対する罪に当たる行為によって領得されたものであることを認識していたものとする。)。
1.甲は,何者かがA社事務所から窃取した約束手形をA社に買い取らせる交渉を乙に依頼され,A社と買取りの条件を交渉したところ,同手形はA社に売却された。この場合,甲には盗品等処分あっせん罪が成立する。
2.甲は,乙を教唆して丙所有の自動車を窃取させた後,乙に代金を支払って同自動車を買い受け,その引渡しを受けた。この場合,甲には,窃盗教唆罪が成立し,盗品等有償譲受け罪は成立しない。
3.甲は,乙が窃取した丙所有の自動車を乙から買って,乙に代金を支払ったが,乙が検挙されてしまい,乙から同車の引渡しを受けることができなかった。この場合,甲には盗品等有償譲受け罪が成立する。
4.甲は,乙からパソコンを預かり保管したが,その1か月後,同パソコンは,乙が丙から窃取したものであることを知ったにもかかわらず,乙のために保管を継続した。この場合,甲には盗品等保管罪が成立する。
5.甲は,12歳の乙が電器店で窃取した携帯電話機を乙から買い,代金を支払ってその交付を受けた。この場合,甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4正解
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
盗品等関与罪では、①有償の処分のあっせん罪はあっせん行為自体で足り、あっせんの相手方が被害者である場合でも成立する(契約の成立も必須でない)、②有償譲受け罪は占有取得(現実の交付)が必要で代金支払だけでは足りない、③本犯が刑事未成年でも財産犯の構成要件・違法性があれば盗品性は認められる、④保管開始後に事情を知って保管を継続すれば保管罪が成立する、という判例準則を押さえること。
結論
正しいのは記述1と記述4であり、選択肢3が正解である。記述1は被害者を相手方とする場合でも盗品等の有償処分あっせん罪が成立するとする判例に合致し、記述4は保管開始後に情を知って保管を継続した場合にも保管罪が成立するとする判例に合致する。
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出典:法務省「平成23年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
