令和7年 予備試験 短答式 憲法 第10問 解説
問題
選挙権及び選挙制度に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。
ア.最高裁判所は、国民の選挙権行使の制限は原則として許されず、国には、国民が選挙権を行使できない場合、そのような制限なしには選挙の公正の確保に留意しつつ選挙権行使を認めることが事実上不可能ないし著しく困難でない限り、選挙権行使を可能にするための所要の措置を執るべき責務があるというべきであり、このことは、精神的原因によって投票所に行くことが困難な有権者の選挙権についても当てはまるとした。
イ.最高裁判所は、政見放送は民主政治の根幹をなす政治上の表現の自由に基づくものであり、いかなる政見放送であってもそのまま放送されるべきであるから、放送事業者が政見放送において用いられた差別的言動を削除したことは、当然に不法行為法上、法的利益の侵害に当たるとした。
ウ.最高裁判所は、1人別枠方式の意義は、衆議院議員選挙制度の変更に伴い、国政における安定性、連続性の確保を図るための暫定的な措置であるということにあると解されるから、その合理性には時間的な限界があり、新しい選挙制度である小選挙区比例代表並立制が定着し、安定した運用がされるようになった段階ではその合理性が失われるとした。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○正解
- ④ア○ イ× ウ×
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
在外国民選挙権事件(最大判平17.9.14)の規範は、精神的原因により投票所に行くことが困難な者にも同様に及ぶ(最判平18.7.13)。他方、政見放送削除事件(最判平2.4.17)は、公職選挙法に違反する差別的言動がそのまま放送される利益は法的に保護された利益とはいえないとして不法行為の成立を否定した。一人別枠方式(最大判平23.3.23)は新制度への移行に伴う暫定措置であり合理性に時間的限界があるとされた点をセットで押さえる。
結論
正解は選択肢3(ア○ イ× ウ○)である。アの選挙権行使制限に関する最高裁の一般論は精神的原因による投票困難者にも同様に及ぶとされ、ウの一人別枠方式に関する判旨も正確であるが、イは政見放送の差別的言動の削除が「当然に」不法行為法上の法的利益侵害となるとした点で、最高裁の結論と正反対である。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「令和7年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
