令和7年 予備試験 短答式 刑法 第13問イ 解説
問題
【事例】に関するアからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討し、正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。【事 例】甲は、乙から現金をだまし取ろうと考え、某月1日、不正な細工を施した花札を用いて賭博の初心者である乙を負けさせ、乙に300万円の債務を負担させた。(①)乙は、同月2日、賭博の常習者である丙に相談したところ、丙は、乙に対し、再び賭博をするよう教唆した。乙は、再び賭博をすることを決意し、同月3日、別の賭博場で賭博をしたが負けたため、更に300万円の債務を負った。(②)乙は、同月5日、高額収入が得られる旨をうたう求人サイトに応募したところ、同サイトを運営していた丁から、不正に入手したクレジットカードの名義人Aを装って電子マネーの購入手続をするよう依頼されてこれに応じ、インターネットを介して、Aの氏名やカード番号等の情報をクレジットカード決済代行会社が使用する電子計算機に送信し、同電子計算機に接続されたハードディスクにAが10万円相当の電子マネーを購入した旨の電磁的記録を作成して同電子マネーの利用権を取得した。(③)丁は、不特定多数の者に電話をかけ、真実は違約金を支払う必要がないのに、これを支払う必要がある旨のうそを告げ、某所に現金を送付させて詐取することを繰り返していた。丁は、乙の応募に先立つ同月4日、Bに電話をかけ、前同様のうそを告げ、現金を某所に送付するよう指示した。Bは、うそを見破って警察官に通報したところ、警察官から丁の上記指示に従ったふりをするよう依頼され、同月5日、模造紙幣が入った荷物を某所に発送した。乙は、同月6日、丁から、上記指示内容について説明を受けるとともに上記荷物を受領して丁に届けるよう依頼され、同荷物が詐欺の被害金であると認識した上でこれに応じ、いわゆるだまされたふり作戦の開始を認識しないまま某所で宅配業者から同荷物を受領したが、その場で警察官に逮捕された。(④)丁は、乙が逮捕されたことを知り、同月7日、知人の戊に対し、自己の逃走資金の提供を依頼した。戊は、同日、丁が現金の詐取を繰り返していたことを認識した上で、逃走資金として現金100万円を丁に手渡した。(⑤)【記 述】
イ.②につき、正犯である乙に単純賭博罪が成立するにすぎないので、丙が賭博の常習者であったとしても、丙に単純賭博罪の教唆犯が成立するにとどまる。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
常習賭博罪のような加減的身分犯では、刑法65条2項により、身分のない正犯には通常の犯罪(単純賭博罪)、身分のある教唆者・共犯者には身分に応じた犯罪(常習賭博罪)の教唆犯・共犯が成立する。正犯の罪名と共犯の罪名が分離する点を必ず押さえる。
結論
記述イは誤り(選択肢2が正しい)。乙が単純賭博罪にとどまるとしても、常習者である丙には常習賭博罪の教唆犯が成立するのであって、単純賭博罪の教唆犯にとどまるわけではない。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「令和7年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
