令和5年 予備試験 短答式 刑法 第2問 解説
問題
次の【判旨】に関する後記1から5までの各【記述】のうち、誤っているものを2個選びなさい。【判 旨】共謀共同正犯が成立するには、二人以上の者が、特定の犯罪を行うため、共同意思の下に一体となって互いに他人の行為を利用し、各自の意思を実行に移すことを内容とする謀議をなし、よって犯罪を実行した事実が認められなければならない。したがって、このような関係において共謀に参加した事実が認められる以上、直接実行行為に関与しない者でも、他人の行為をいわば自己の手段として犯罪を行ったという意味において、その間刑責の成立に差異を生ずると解すべき理由はない。さればこの関係において実行行為に直接関与したかどうか、その分担又は役割のいかんは、共犯の刑責自体の成立を左右するものではないと解する。【記 述】
1.【判旨】を前提にすると、殺意を有する者と傷害の故意にとどまる者との間で共謀共同正犯が成立する余地はない。
2.【判旨】は、共同正犯の成立には、実行行為の一部を分担することは必要ないとの立場に立っている。
3.【判旨】は、共謀共同正犯の成立には、単に関与者の内心における意思の合致があるだけでは十分でなく、客観的な謀議行為が必要であるとする考えと矛盾しない。
4.【判旨】に対しては、共同正犯を教唆及び幇助と区別することが困難になるとの批判がある。
5.【判旨】を前提にすると、共謀共同正犯の成立には、実行行為を行わない者が実行行為者に対して指揮命令をすることが必要である。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5正解
- ⑤2と3
- ⑥2と4
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
練馬事件判決は共謀共同正犯の成立に実行行為の分担を不要とするが、成立要件はあくまで『共同意思の下での謀議への参加』であり、指揮命令関係までは要求していない。また、故意の内容が異なる者同士でも、部分的犯罪共同説・行為共同説のいずれからも共同正犯が成立する余地はある。
結論
誤っている記述は1と5である。記述1は、故意の内容が異なる者の間でも共同正犯が成立し得るという判例の理解に反し、記述5は【判旨】が要求する『共謀への参加』を超えて『指揮命令』という不要な要件を付け加えている点で誤りである。
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出典:法務省「令和5年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
