令和4年 予備試験 短答式 刑法 第1問 解説
問題
信用及び業務に対する罪に関する次の1から5までの各記述を判例の立場に従って検討した場合、正しいものを2個選びなさい。
1.人の業務に使用する電子計算機に対して不正な指令を入力した場合、その指令の内容が人の業務を妨害するおそれのあるものであれば、当該電子計算機の動作に影響を及ぼしていなくても、電子計算機損壊等業務妨害罪の既遂犯が成立し得る。
2.威力業務妨害罪における「威力」は、客観的にみて被害者の自由意思を制圧するに足りる勢力であればよく、現実に被害者が自由意思を制圧されたことを要しない。
3.偽計業務妨害罪における「偽計」とは、人を欺罔し、あるいは人の錯誤又は不知を利用することをいい、電話料金の支払を免れるための機器を電話回線に取り付けて課金装置の作動を不能にする行為は、これに該当しない。
4.信用毀損罪は、経済的な側面における人の社会的な評価を保護するものであり、同罪における「信用」には、人の支払能力又は支払意思に対する社会的な信頼だけでなく、販売される商品の品質に対する社会的な信頼も含まれる。
5.威力業務妨害罪における「威力」は、被害者の面前で行使される必要があるので、被害者が執務のために日頃使っている机の引き出しに猫の死骸をひそかに入れた場合、後に被害者がこれを発見するに至ったとしても、威力業務妨害罪は成立しない。
※ 該当するものを2個選ぶ問題です。2個の組合せを選んでください。
- ①1と2
- ②1と3
- ③1と4
- ④1と5
- ⑤2と3
- ⑥2と4正解
- ⑦2と5
- ⑧3と4
- ⑨3と5
- ⑩4と5
解説
要点
電子計算機損壊等業務妨害罪は電子計算機の動作への実害(使用目的に沿わない動作等)が生じて初めて既遂となる点、偽計業務妨害の「偽計」は機器取付けによる課金装置の作動不能化も含む点(マジックホン事件)、信用毀損罪の「信用」は商品の品質への信頼も含む点、威力業務妨害の「威力」は現実の自由意思制圧も面前での行使も不要である点を押さえる。
結論
正しいのは記述2と記述4であり、選択肢6が正解である。威力業務妨害罪の「威力」は客観的に自由意思を制圧するに足りる勢力で足り現実の制圧は不要であること、信用毀損罪の「信用」には商品の品質に対する信頼も含まれることが判例で確立している。
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出典:法務省「令和4年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
