平成30年 予備試験 短答式 憲法 第12問 解説
問題
条約に関する次のアからウまでの各記述について,正しいものには○,誤っているものには×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。
ア.砂川事件判決(最高裁判所昭和34年12月16日大法廷判決,刑集13巻13号3225頁)は,主権国家としての我が国の存立の基礎に極めて重大な関係を持つ高度の政治性を有する条約について,憲法に対する優位性を認め,裁判所の違憲審査権の範囲外にあると判断した。
イ.憲法と条約の効力関係に関する憲法優位説によれば,条約を違憲審査の対象とし得るが,適式な手続を経て締結されたある条約が違憲と判断された場合でも,当該条約の国際法上の効力は失われないため,我が国は依然として当該条約を履行する義務を負うこととなる。
ウ.憲法第98条第2項が遵守を求める「確立された国際法規」の意義を「国際社会において一般に承認されている成文・不文の国際法規」と解する説に立っても,我が国が締結していない条約に規定されている事項については,同条項が定める遵守義務の対象にはならない。
- ①ア○ イ○ ウ○
- ②ア○ イ○ ウ×
- ③ア○ イ× ウ○
- ④ア○ イ× ウ×
- ⑤ア× イ○ ウ○
- ⑥ア× イ○ ウ×正解
- ⑦ア× イ× ウ○
- ⑧ア× イ× ウ×
解説
要点
砂川事件判決は条約が「憲法に対して優位する」と判断したのではなく、高度の政治性を有する条約について「一見極めて明白に違憲無効」でない限り司法審査の対象外とした(統治行為論あるいはその変容・明白性の原則と理解される)点、憲法優位説では違憲な条約でも国際法上の効力は存続する点、98条2項の「確立された国際法規」は未締結の条約規定でも国際社会で一般に承認されていれば含まれ得る点を区別して覚える。
結論
正解は選択肢6(ア×イ○ウ×)である。砂川事件判決は条約の憲法に対する優位性を認めたわけではなく、高度の政治性を有する条約について司法審査を限定したにすぎない点でアは誤り、憲法優位説の内容としてイは正しい記述であり、ウは未締結の条約であってもその内容が国際社会で一般に承認されていれば98条2項の対象となり得る点で誤りである。
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出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
