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平成30年 予備試験 短答式 刑法 第11問 解説

問題

責任能力に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
  1. ①裁判所は,責任能力の有無・程度について,専門家たる精神医学者の意見を十分に尊重して判定すべきであるから,精神鑑定の意見の一部だけを採用することは許されない。
  2. ②行為者が犯行時に心神耗弱状態にあった場合でも,その刑を減軽しないことができる。
  3. ③犯行時に事物の是非善悪を弁識する能力が著しく減退していても,行動を制御する能力が十分に保たれていれば,完全責任能力が認められることがある。
  4. ④精神の障害がなければ,心神喪失又は心神耗弱と認められる余地はない。正解
  5. ⑤14歳の者は,事物の是非善悪を弁識し,その弁識に従って行動する能力が十分に認められる場合であっても,処罰されない。

解説

要点
刑法39条の心神喪失・心神耗弱は、生物学的要素(精神の障害)と心理学的要素(弁識能力・制御能力)の両者を要する混合的方法により判断され、精神の障害がない限り心神喪失・耗弱は認められない(大判昭和6年12月3日)。他方、責任能力の有無・程度は法律判断であり裁判所が最終的に判断するため、精神鑑定の意見に拘束されず一部のみを採用することも許される。

結論

選択肢4が正しい。判例は心神喪失・心神耗弱を、精神の障害という生物学的要素を前提に、それにより弁識能力・制御能力という心理学的要素が失われ又は著しく減退した状態と定義しており(大判昭和6年12月3日刑集10巻682頁)、精神の障害がなければそもそも心神喪失・心神耗弱の余地はない。

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出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。