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平成30年 予備試験 短答式 刑法 第1問 解説

問題

次の1から5までの各事例における甲の罪責について判例の立場に従って検討した場合,甲に凶器準備集合罪が成立しないものはどれか。
  1. ①甲は,乙,丙及び丁が,対立するグループの者らによる襲撃に備えて同人らの身体に対し共同して害を加える目的で凶器を準備して公園に集合していることを知った。その上で,甲は,自らも乙らと共同して害を加える目的で凶器を所持して同公園に赴き,乙,丙及び丁に合流したが,客観的には同グループの者らによる襲撃が切迫しているという状況はなかった。
  2. ②甲は,乙,丙及び丁と共に,Vの身体に対し共同して害を加える目的でそれぞれ凶器を準備し公園に集合することとしたが,乙,丙及び丁が凶器を準備して先に同公園に到着しVを待ち伏せていたところ,同公園にVが現れたことから,乙らにおいてVの身体に対する加害行為を開始した。その後間もなく,甲は,凶器を所持して同公園に到着し,乙らがVに対する加害行為に及んでいる間も,自らも乙らと共にVの身体に対し共同して害を加える目的で凶器を所持してその場に居続けた。
  3. ③甲は,乙,丙及び丁と共に,Vが居住する家屋を共同して損壊する目的でそれぞれハンマーや斧を準備し,同家屋近くの公園に集合した。
  4. ④甲は,乙,丙及び丁と共に公園で雑談をしていたところ,同公園の隅に長さ約1メートルの棒状の角材が多数保管されているのを発見した。甲ら4名は,その角材を手に取った後,これを凶器としてVの身体に対し共同して害を加える目的を有するに至った。
  5. ⑤甲は,乙,丙及び丁が,対立するグループの者らによる車両での襲撃を察知して,相手車両に衝突させるという意図の下に,エンジンを切った状態で無人のダンプカー1台を乙方付近の路上に駐車させていることを知った。その上で,甲は,自らも乙らと共に同グループの者らの身体に対し共同して害を加える目的で乙方に赴き,乙,丙及び丁に合流した。正解

解説

要点
判例(最判昭47.3.14)は、用法上の凶器といえるためには社会通念上人をして直ちに危険感を抱かせるに足りる器具であることを要するとし、エンジンを切って無人のまま路上に駐車されたダンプカーは『凶器』に当たらないとした。したがって凶器準備集合罪(刑法208条の2)は成立しない。

結論

選択肢5では、乙らが用意したのはエンジンを切った無人のダンプカー1台であり、判例はこのような車両を社会通念上人をして直ちに危険感を抱かせるに足りる器具とはいえないとして『凶器』該当性を否定している。したがって凶器準備集合罪は成立しない。他の選択肢は、いずれも判例の立場から同罪の成立要件(共同加害目的・凶器の準備(又はその認識)・集合)を満たす事案として構成されている。

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出典:法務省「平成30年予備試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。