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令和6年 司法試験 短答式 刑法 第20問イ 解説

令6司法 第20問イ刑法毀棄・隠匿罪の過去問

問題

次の【事例】に関する後記アからオまでの各【記述】を判例の立場に従って検討し、正しい場合には1を、誤っている場合には2を選びなさい。【事 例】保険会社の従業員である甲は、顧客Aが独りで住んでいる一戸建て家屋に多額の現金が保管されていることを知り、Aを殺害した上で同現金を手に入れようと計画した。甲は、その計画に従い、某月1日午後4時頃、Aを戸外に連れ出し、麻酔薬を吸引させて気絶させた上、自動車の後部座席にAを押し込み、同車を運転してAを山奥まで運んだ。さらに、甲は、同日午後6時頃、気絶していたAを車外に引っ張り出した上、自殺に見せ掛けるため、大木の枝に縛り付けた縄でAの頸部をくくり、そのままAをつり下げて窒息死させた。甲は、Aが持っていたA方の鍵を入手した上で、その場にAの死体を放置して上記自動車を運転してA方に向かった。甲は、同日午後8時50分頃、上記鍵を使用してA方内に立ち入り、同所に保管されていた現金500万円を自己のかばんに入れて上記計画を完遂した。甲は、A方を燃やして犯行を隠蔽しようと考え、同日午後9時頃、A方居室の畳に火を放ってA方を出た。その直後、付近住民が異変に気付いてA方内に立ち入り、上記畳を取り外して屋外に投げ捨てたため、同畳以外は焼損しなかった。甲は、同月5日、逮捕され、その後の弁解録取手続において、自暴自棄になり、警察官Bが甲の弁解を記載した弁解録取書を手で破り捨てた。Aには死亡事故を起こしたことによる前科があり、乙は、かつてAから同前科があることを聞いていた。乙は、Aが死亡したことを知り、同月7日、インターネットの掲示板に「Aは、事故を起こして人を死なせた前科がある。」と書き込み、インターネットを利用する不特定多数の者が閲覧可能な状態にした。【記 述】 イ.甲がAを殺した後にその場にAの死体を放置した行為について、甲にはAの葬祭義務がないものの、甲がAを殺した犯人である以上、甲に不作為による死体遺棄罪が成立する。
  1. ①正しい
  2. ②誤っている正解

解説

要点
不作為犯が成立するには法令・慣習・条理・先行行為等に基づく作為義務が必要であり、判例上、単に殺害の犯人であるという事実だけからは死体の葬祭義務(作為義務)は生じない。不作為による死体遺棄は、葬祭(埋葬)義務を負う者がその義務に違反して死体を放置した場合に成立する。

結論

選択肢2が正しい。甲がAを殺害した犯人であるという事実だけからは死体を葬祭すべき作為義務は発生せず、不作為による死体遺棄罪は成立しないため、記述イは誤りである。

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出典:法務省「令和6年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。