令和2年 司法試験 短答式 民法 第6問 解説
問題
物権的請求権に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.Aが地上権を有する甲土地に無断でBがその所有する自動車を放置した場合,Aは,Bに対し,地上権に基づく妨害排除請求権の行使として自動車を撤去するよう求めることはできない。
イ.Aが所有する鉄塔が自然災害により傾き,鉄塔に隣接するBの所有する甲建物を損傷させるおそれが生じた場合において,Bが所有権に基づく妨害予防請求権の行使として甲建物を損傷させないための措置を講ずるよう求めたときは,Aは,過去に実際に一度でも甲建物を損傷させたことがないことを理由としてBの請求を拒むことができる。
ウ.Aの所有する自動車がBの所有する山林に無断で放置され,20年が経過した場合において,BがAに対して所有権に基づく妨害排除請求権の行使として自動車の撤去を求めたときは,Aは,妨害排除請求権の消滅時効を援用してBの請求を拒むことができる。
エ.Aが,A所有の甲土地に洪水のため流されてきた自動車の所有者であるBに対し,所有権に基づく妨害排除請求権の行使として自動車を撤去するよう求めた場合,Bは,所有権侵害について故意過失がないことを主張立証しても,Aの請求を拒むことはできない。
オ.Aの所有する甲土地に無断でBがその所有する自転車を放置した場合において,AがBに対して所有権に基づく妨害排除請求権の行使として自転車を撤去するよう求めたときは,Bは,自己が未成年者であることを理由としてAの請求を拒むことはできない。
- ①ア イ
- ②ア ウ
- ③イ エ
- ④ウ オ
- ⑤エ オ正解
解説
要点
物権的請求権は現在の妨害状態を除去・予防する権利であり、相手方の故意過失や責任能力といった帰責事由は要件とならず、所有権に基づくものは時効消滅もしない。地上権など用益物権にも妨害排除請求権が認められる。
結論
正しい組合せはエとオであり,選択肢5が正解である。物権的請求権は現に存在する妨害状態を除去・予防するための権利であって,相手方の故意過失や責任能力といった帰責事由の有無は,その成立要件とならない。
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出典:法務省「令和2年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
