平成30年 司法試験 短答式 憲法 第1問ア 解説
問題
次の対話は,公務員の人権に関する教授と学生の対話である。教授の各質問に対する次のアからウまでの学生の各回答について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。教授.公務員の地位のように権利主体と公権力との間に特殊な法律関係がある場合には,憲法の人権保障が原則として及ばないなどとする理論がありますね。このような理論によって公務員の人権に対する制約を正当化した最高裁判所の判決がありますか。
ア.はい。猿払事件判決(最高裁判所昭和49年11月6日大法廷判決,刑集28巻9号393頁)が,先生のおっしゃる趣旨の判示をして,公務員の政治的意見表明の自由に対する制約を正当化しています。教授.あなたの言うその判決は,国家公務員法第102条第1項が一定の行動類型に属する政治的行為を禁止していることに伴い生じ得る意見表明の自由の制約については,どのような判示をしていますか。
- ①正しい
- ②誤っている正解
解説
要点
猿払事件判決は特別権力関係論を採用せず、目的の正当性・手段との合理的関連性・利益の均衡という猿払基準(合理的関連性の基準)によって国家公務員法102条1項による政治的行為の禁止を合憲とした点を正確に区別する。
結論
猿払事件判決(最大判昭和49年11月6日)は、公務員という特殊な法律関係にあることを理由に人権保障が原則及ばないとする特別権力関係論を採用したものではなく、目的・手段の合理的関連性を審査する独自の基準(いわゆる猿払基準)によって合憲性を判断したものである。したがって、アの回答は誤りであり、選択肢2が正解となる。
この分野を、あなたの弱点に合わせて演習
無料で始める間違えた問題は忘れかけた頃に出し直し。論文の AI 採点も(Pro)。
出典:法務省「平成30年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
