平成29年 司法試験 短答式 民法 第20問 解説
問題
債務の引受けに関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.債権者Aが,債務者Bの意思に反して,引受人Cとの間で併存的債務引受の契約をした場合,その効力は生じない。
イ.債権者Aに対する債務者Bの債務について,Cを引受人とする併存的債務引受の効力が生じた場合において,Bの債務が時効により消滅したとしても,AはCに対して債務の全額を請求することができる。
ウ.債権者Aは,債務者Bの意思に反しない場合,引受人Cとの二者間の契約により,免責的債務引受の効力を生じさせることができる。
エ.債権者Aに対する債務者Bの債務について,Cを引受人とする免責的債務引受の効力が生じた場合には,Bの債務を担保するために第三者Dが設定していた抵当権は,Cの債務を担保することについてDの同意がない限り,消滅する。
オ.中古自動車の売買契約における売主Aに対する買主Bの代金債務について,Cを引受人とする免責的債務引受の効力が生じた場合において,その自動車に隠れた瑕疵があり契約の目的を達成することができないときは,Cはその売買契約を解除することができる。
- ①ア イ
- ②ア ウ
- ③イ オ
- ④ウ エ正解
- ⑤エ オ
解説
要点
併存的債務引受は債務者の意思に反しても成立し(判例・現470条2項)、免責的債務引受は債権者と引受人の二者間契約でも成立する(改正前判例は債務者の意思に反しないことを要求、現472条2項は債務者への通知を要件とする)。第三者が設定した担保はその承諾がなければ新債務に移転せず消滅する(472条の4第1項ただし書)。なお本問は改正前民法を前提とする出題であり、イは現行441条の下では結論が逆になり得る。
結論
正しいのはウとエであり、選択肢4が正解である。免責的債務引受は債権者と引受人の契約のみでも(改正前の判例では債務者の意思に反しない限り)成立し(ウ)、免責的債務引受により原債務が消滅する結果、第三者が設定した担保はその承諾がなければ消滅する(エ)。
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出典:法務省「平成29年司法試験」(問題文は表示のため改行等を整えています)。解説は AI を用いて作成し、条文との照合と再検証を経ていますが、誤りを含む可能性があります。
