大判大正7年8月27日
民法416条2項の特別事情の予見は、債務者が、債務不履行時(履行期)を基準に判断するとした判例
民法債務不履行・損害賠償本試験で 2 問(短答 1・論文 1)
出題:司法H23・司法R5
解説
事案
債務不履行に基づく損害賠償請求で、特別の事情によって生じた損害(特別損害)が賠償範囲に含まれるかが争われた事案である。民法416条2項は、特別の事情によって生じた損害でも「当事者」がその事情を予見すべきであったときは賠償を請求できると定める。そこで次の2点が問題となった。
- 予見の主体である「当事者」とは誰か(債権者・債務者の双方か、債務者か)
- いつの時点を基準に予見を判断するのか(契約締結時か、債務不履行時か)
争点
- 民法416条2項にいう「当事者」(特別事情の予見の主体)は誰か
- 特別事情の予見の有無を判断する基準時はいつか
判旨
予見の主体:416条2項の「当事者」は債務者を意味する。
予見の基準時:債務不履行時(履行期)である。
答案用の規範は次のとおり。
- 「特別の事情によって生じた損害は、債務者が債務不履行時(履行期)までにその事情を予見すべきであったときに限り、賠償の範囲に含まれる(416条2項、大判大正7年8月27日)。」
したがって、契約締結時には予見できなかった特別事情でも、履行期までに債務者が予見すべきであったといえれば、その特別損害は賠償の対象となる。
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