大判大正7年3月15日
放火罪の「焼損」について独立燃焼説を踏襲し、大審院の確立した立場とした判例
刑法放火罪本試験で 2 問(短答 2・論文 0)
出題:司法H25・司法R4
解説
事案
放火罪(刑法108条・109条)の成立にあたり、目的物がどの段階に達すれば「焼損」したといえるか、つまり既遂時期が問題となった事案である。放火罪は、火を放って建造物等を「焼損した」ことを要件とする。そこで、火を付けた媒介物が燃えているだけの段階と、目的物自体が燃え始めた段階のどちらで既遂とするかが争われた。本判決は、それ以前の大審院判例がとっていた独立燃焼説を踏襲し、目的物そのものの燃焼状態を基準に既遂を判断した。
争点
- 放火罪(刑法108条・109条)における「焼損」の意義
- 放火罪の既遂時期をどの段階に求めるか(独立燃焼説か効用喪失説か)
判旨
結論:放火罪の「焼損」は独立燃焼説によって判断する。
規範(答案用):「焼損」とは、火が媒介物を離れて目的物に燃え移り、目的物が独立に燃焼を継続し得る状態に達したことをいう。
- この状態に達すれば放火罪は既遂となる。
- 目的物の重要部分が焼失したことや、目的物が本来の効用を失ったことまでは要しない。
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