大判大正6年4月13日
居住者全員(唯一の居住者)を殺害した後にその家屋へ放火した場合、現住性を欠き非現住建造物等放火罪となるとした判例
刑法放火罪本試験で 2 問(短答 2・論文 0)
出題:司法H22・司法R3
解説
事案
犯人が、家屋に住む者全員(教材では「唯一の居住者」とも整理されている)を殺害した。その後、犯人はその家屋に放火した。
- 問題は、放火の時点でその家屋が刑法108条の「現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物」にあたるかどうかである。
- 殺害前は人の住居であった家屋が、居住者の死亡によって性質を変えるのかが問われた。
争点
- 居住者全員を殺害した後に放火した家屋が、刑法108条の現住建造物にあたるか
- 現住性・現在性はどの時点で判断するか
判旨
結論:非現住建造物等放火罪(刑法109条1項)が成立し、現住建造物等放火罪(108条)は成立しない。
- 規範:現住建造物にあたるかどうかは、放火の時点での客観的状況で判断する。
- 居住者全員(唯一の居住者)が殺害されて死亡すると、その家屋はもはや「現に人が住居に使用」しておらず、「現に人がいる」ともいえない。
- したがって、その後の放火は非現住建造物に対するものとなる。
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