大判大正3年4月29日
偽証罪(刑法169条)の「虚偽の陳述」とは証人の記憶に反する陳述をいうとして、主観説(記憶説)を採った判例
刑法文書偽造罪公務執行妨害・職務に関する罪自由・名誉・信用に対する罪本試験で 3 問(短答 3・論文 0)
出題:司法H23・司法R7・予備R7
解説
事案
法律により宣誓した証人の陳述が、偽証罪(刑法169条)の「虚偽の陳述」に当たるかが問題となった事案である。
- 争点は、「虚偽」を何と比べて判断するかである。
- 一つは、証人自身の記憶(経験)と比べる見方である(主観説・記憶説)。
- もう一つは、客観的真実と比べる見方である(客観説)。
- 本判決は、このうち前者の立場をとった。
争点
- 刑法169条の「虚偽の陳述」の意義(証人の記憶に反する陳述か、客観的真実に反する陳述か)
- 記憶に反するが客観的真実に合致する陳述について偽証罪が成立するか
判旨
規範:偽証罪(刑法169条)の「虚偽の陳述」とは、証人が自己の経験ないし記憶に反する事実を陳述することをいう(主観説・記憶説)。
- 記憶に反する陳述であれば、たとえ客観的真実に合致していても偽証罪が成立する。
- 逆に、この立場からは、記憶どおりに証言した場合は、その内容が客観的真実と異なっていても「虚偽の陳述」に当たらず、偽証罪は成立しない。
答案では「『虚偽の陳述』とは、証人の記憶に反する陳述をいう」と端的に示せばよい。
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