大判昭和9年10月19日
住居侵入窃盗では、金品を物色するため箪笥に近寄った時点で窃盗罪の実行の着手を認めた大審院判例
刑法未遂・中止犯・不能犯窃盗罪本試験で 3 問(短答 3・論文 0)
出題:司法H27・司法R1・予備H27
解説
事案
行為者が他人の住宅に侵入し、金品を物色する目的で室内の箪笥に近寄った。この段階で、窃盗罪の実行の着手が認められるかが問題となった。
大審院は、この時点で窃盗罪の実行の着手を認めた。
侵入盗の典型場面で、住居侵入の段階と窃盗罪の着手の段階をどこで分けるかを示した事案として扱われている。
争点
- 住居侵入窃盗において、窃盗罪(刑法235条)の実行の着手(刑法43条本文)が認められる時期
- 住居に侵入しただけで窃盗罪の実行の着手が認められるか
判旨
結論:他人の住宅に侵入し、金品物色のため箪笥に近寄った時点で、窃盗罪の実行の着手がある。
規範:窃盗罪の実行の着手は、財物に対する他人の事実上の支配(占有)を侵すことに密接な行為を開始した時点で認められる。
あてはめの目安:
- 住居では、物色行為の開始や、財物のある箪笥等への接近がこれに当たる。
- 住居への侵入行為そのものは、まだ占有侵害に密接な行為とはいえない。
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