板堰損壊事件(堰の損壊事件)
大判昭和8年11月30日
豪雨で稲苗が水没する切迫した危険について、刑法37条1項の「現在の危難」を肯定した判例
刑法違法性阻却(正当防衛・緊急避難)本試験で 2 問(短答 2・論文 0)
出題:司法R3・予備R3
解説
事案
豪雨によって田の稲苗が水没する危険が生じた。行為者は、この水害を避けるために板堰(堰)を損壊した。
この堰の損壊行為について、刑法37条1項の緊急避難が問題となった。前提として、豪雨による稲苗水没の危険が同項の「現在の危難」に当たるかが争われた。
争点
- 豪雨による稲苗水没の危険が、刑法37条1項の「現在の危難」に当たるか
- 自然現象(豪雨)に起因する財産への危険が、緊急避難の前提となる危難となりうるか
判旨
結論:豪雨によって稲苗が水没する危険について、刑法37条1項の「現在の危難」を肯定した。
規範(答案用):
- 「現在の危難」とは、生命・身体・自由・財産に対する危険が現に存在するか、または間近に迫っている状態をいう。
- 豪雨による水害のように、法益(稲苗という財産)への侵害の危険が切迫している場合には、「現在の危難」が認められる。
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