最決昭和62年3月24日
身の代金目的拐取罪の「安否を憂慮する者」は近親に限られず、親身に憂慮するのが社会通念上当然な特別な関係者を含むとした決定
出題:司法H22・司法R4・司法R8・予備R4
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和61(あ)688 みのしろ金目的拐取、拐取者みのしろ金取得等、逮捕監禁、同致傷、銃砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類取締法違反
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第41巻2号173頁
- 参照法条
- 刑法225条ノ2,(第一審判決は、刑事裁判月報第一七巻第九号八九二頁以下に登載)
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
一 刑法第二二五条の二にいう「近親其他被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者」の意義 二 刑法第二二五条の二にいう「近親其他被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者」に当たるとされた事例
裁判要旨
一 刑法二二五条の二にいう「近親其他被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者」には、単なる同情から被拐取者の安否を気づかうにすぎないとみられる第三者は含まれないが、近親のほか、被拐取者の安否を親身になつて憂慮するのが社会通念上当然とみられる特別な関係にある者も含まれる。 二 A銀行の代表取締役社長が拐取された場合における同銀行幹部らは、刑法二二五条の二にいう「近親其他被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者」に当たる。
解説
事案
被告人は、A銀行の代表取締役社長を拐取した。そのうえで、同銀行の幹部らを相手方として、身の代金目的拐取・拐取者身の代金取得等に及んだ。このほか、逮捕監禁、同致傷、銃砲刀剣類所持等取締法違反、火薬類取締法違反でも起訴された。
原審(福岡高裁)は、同銀行の幹部らが刑法225条の2にいう「近親其他被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者」に当たると判断した。
弁護人は上告し、憲法31条違反を主張するとともに、同条の「安否を憂慮する者」の解釈適用を争った。
争点
- 刑法225条の2にいう「近親其他被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者」の意義(近親以外の者を含むか、含むとしてどの範囲か)
- 拐取された銀行の代表取締役社長について、同銀行の幹部らが「安否を憂慮する者」に当たるか
判旨
上告棄却。上告趣意は刑訴法405条の上告理由に当たらないとしたうえで、職権で次のとおり判断した。
規範
- 刑法225条の2の「近親其他被拐取者の安否を憂慮する者」には、単なる同情から被拐取者の安否を気づかうにすぎない第三者は含まれない。
- 他方、近親でなくとも、被拐取者の安否を親身になって憂慮するのが社会通念上当然とみられる特別な関係にある者は含まれる。
あてはめ
- A銀行の代表取締役社長が拐取された場合、同銀行の幹部らは上記の特別な関係にある者に当たる。
- したがって、幹部らを「安否を憂慮する者」とした原判断の結論は正当である。
判決文から
「単なる同情から被拐取者の安否を気づかうにすぎないとみられる第三者は含まれない」
範囲を限定する側の基準(消極要件)
「被拐取者の近親でなくとも、被拐取者の安否を親身になつて憂慮するのが社会通念上当然とみられる特別な関係にある者はこれに含まれるものと解するのが相当である」
近親以外へ広げる側の基準。答案の規範部分
「A銀行の代表取締役社長が拐取された場合における同銀行幹部らは、被拐取者の安否を親身になつて憂慮するのが社会通念上当然とみられる特別な関係にある者に当たるというべきである」
会社幹部を憂慮者と認めた具体的あてはめ
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
