最判昭和61年3月13日
共同相続人間で特定財産が被相続人の遺産に属することの確認を求める遺産確認の訴えを適法とした判例
出題:司法H25・予備R2・予備R4・予備R7
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 昭和57(オ)184 遺産確認
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第40巻2号389頁
- 参照法条
- 民訴法225条,民法898条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
遺産確認の訴えの適法性
裁判要旨
共同相続人間において特定の財産が被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えは、適法である。
解説
事案
Dは昭和35年1月20日に死亡した。被上告人らと上告人らは、Dの共同相続人(代襲相続人および共同相続人の各相続人を含む)である。被上告人らは、遺産分割の前提問題として、第一審判決添付の物件目録記載の各不動産(うち1件は共有持分2分の1)がDの遺産であることの確認を求めた。
原審は、これらの不動産がDの遺産であり、当事者がその共同相続人であるとの事実を確定し、請求を認容すべきものとした。上告人らは上告したが、上告理由は事実認定の非難などにとどまった。
最高裁は上告理由を排斥したうえで、このような確認の訴え(「遺産確認の訴え」)の適否を職権で検討した。本件は、共同相続人の範囲と各法定相続分の割合には実質的な争いがなく、ある財産が遺産に属するか否かだけが争われた事案である。
争点
- 共同相続人間において、特定の財産が被相続人の遺産に属することの確認を求める訴え(遺産確認の訴え)に確認の利益があり、適法といえるか
- 法定相続分に応じた共有持分確認の訴えが可能であることとの関係(確認の方法選択の適否)
- 遺産共有が民法249条以下の共有と性質を同じくすることと、遺産確認の訴えを認めることは矛盾しないか
判旨
上告棄却。共同相続人間において、特定の財産が被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えは適法である。
規範(答案用):
- 遺産確認の訴えは、当該財産が現に被相続人の遺産に属すること、すなわち現に共同相続人による遺産分割前の共有関係にあることの確認を求める訴えである。
- その原告勝訴の確定判決は、当該財産が遺産分割の対象たる財産であることを既判力をもって確定する。
- これにより、後続の遺産分割審判の手続でも、審判確定後でも、遺産帰属性を争うことが許されなくなる。
- したがって、遺産分割の前提問題について紛争を解決するのに適切な手段といえ、確認の利益が認められる。
判決文から
「遺産確認の訴えは、右のような共有持分の割合は問題にせず、端的に、当該財産が現に被相続人の遺産に属すること、換言すれば、当該財産が現に共同相続人による遺産分割前の共有関係にあることの確認を求める訴えであつて」
訴訟物を現在の法律関係として構成した部分
「その原告勝訴の確定判決は、当該財産が遺産分割の対象たる財産であることを既判力をもつて確定し、したがつて、これに続く遺産分割審判の手続において及びその審判の確定後に当該財産の遺産帰属性を争うことを許さず」
確認判決の紛争解決機能=確認の利益の核心
「右訴えにおける原告勝訴の確定判決は、原告が当該財産につき右共有持分を有することを既判力をもつて確定するにとどまり、その取得原因が被相続人からの相続であることまで確定するものでないことはいうまでもなく」
共有持分確認では足りない理由(方法選択)
「その差異から生じる必要性のために遺産確認の訴えを認めることは、分割前の遺産の共有が民法二四九条以下に規定する共有と基本的に共同所有の性質を同じくすることと矛盾するものではない」
遺産共有=共有説との整合性
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
