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東京予防接種禍訴訟第一審

東京地判昭和59年5月18日

予防接種による生命・身体の特別の犠牲について、憲法29条3項の類推適用により国への直接の補償請求を認めた下級審判決

行政法損失補償経済的自由(職業選択・財産権)本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H22・予備H29

解説

事案

予防接種を受けた者に副作用による被害が生じ、被害者側が国に救済を求めた事案である(東京予防接種禍訴訟)。予防接種は公共の利益のために行われる。それにもかかわらず、その副作用によって特定の個人だけが生命・身体という重大な犠牲を負うことになった。この犠牲について、国家賠償によるのか、損失補償によるのかという救済の構成が問題となった。本判決はその第一審判決である。

争点

  • 予防接種による生命・身体への被害が、損失補償の対象となる「特別の犠牲」に当たるか
  • 財産権の補償を定める憲法29条3項を、生命・身体の犠牲に類推適用して、国に直接補償を請求できるか

判旨

結論:予防接種で生命・身体に特別の犠牲を強いられた者は、憲法29条3項の類推適用により、国に対し直接正当な補償を請求できる。

規範(答案用)

  • 予防接種で生命・身体に特別の犠牲を強いられた者を、財産上の特別の犠牲を受けた者より不利に扱う合理的理由はない。
  • そこで、憲法13条後段・25条1項の趣旨に照らし、29条3項を類推適用する。
  • 被害者は国に対し、直接正当な補償を請求できる。

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