マジックホン事件
課金装置の作動を不能にするマジックホンの使用は、有線電気通信妨害罪と偽計業務妨害罪の両方に当たるとした決定
出題:司法H29・司法R4・司法R8・予備R4・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和58(あ)1707 有線電気通信法違反、同教唆、同幇助、偽計業務妨害、同教唆、同幇助
- 裁判
- 決定・棄却
- 判例集
- 刑集 第38巻6号2584頁
- 参照法条
- 有線電気通信法2条1項,有線電気通信法21条,刑法233条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
一 有線電気通信法二条一項にいう「符号」にあたるとされた事例 二 有線電気通信法二一条違反及び偽計業務妨害の両罪が成立するとされた事例
裁判要旨
一 A公社の架設する電話回線において、発信側電話機に対する課金装置を作動させるため受信側から発信側に送出される応答信号は、有線電気通信法二条一項にいう「符号」にあたる。 二 A公社の架設する電話回線において、発信側電話機に対する課金装置を作動させるため受信側から発信側に送出される応答信号の送出を阻害する機能を有するマジツクホンと称する電気機器を加入電話回線に取り付け使用して、応答信号の送出を妨害するとともに発信側電話機に対する課金装置の作動を不能にした行為は、有線電気通信妨害罪(有線電気通信法二一条)及び偽計業務妨害罪にあたる。
解説
事案
A公社が架設する電話回線では、受信側から発信側へ応答信号が送られ、この信号によって発信側電話機に対する課金装置が作動する仕組みになっていた。
被告人らは、この応答信号の送出を阻害する機能をもつ「マジックホン」という電気機器を加入電話回線に取り付けて使用した。これにより応答信号の送出を妨げ、発信側電話機に対する課金装置を作動しないようにした。
事件名は「有線電気通信法違反、同教唆、同幇助、偽計業務妨害、同教唆、同幇助」である。原審の東京高裁は、有線電気通信妨害罪(有線電気通信法21条)と偽計業務妨害罪(刑法233条)の成立を認めた。弁護人は憲法31条違反などを主張して上告した。
争点
- 課金装置を作動させるため受信側から発信側に送られる応答信号は、有線電気通信法2条1項の「符号」に当たるか
- マジックホンを取り付けて応答信号の送出を妨害し、課金装置を作動不能にした行為は、有線電気通信妨害罪(同法21条)に当たるか
- 同じ行為が偽計業務妨害罪(刑法233条)に当たるか(機器を用いて課金装置の作動を不能にすることが「偽計」による業務妨害といえるか)
判旨
上告棄却。上告趣意は、憲法31条違反をいう点も含め、実質はすべて単なる法令違反の主張であり、刑訴法405条の上告理由に当たらないとした。そのうえで「なお」書きで、次の原判断を正当とした。
- 符号該当性:A公社の電話回線で、発信側電話機に対する課金装置を作動させるため受信側から発信側に送られる応答信号は、有線電気通信法2条1項の「符号」に当たる。
- 両罪の成立:応答信号の送出を阻害する機能をもつマジックホンを加入電話回線に取り付けて使い、応答信号の送出を妨害するとともに課金装置の作動を不能にした行為は、有線電気通信妨害罪(同法21条)と偽計業務妨害罪(刑法233条)の両方に当たる。
答案では、「課金装置を作動不能にして電話料金の徴収を免れる機器を電話回線に取り付けて使用する行為は、偽計業務妨害罪の『偽計』による業務妨害に当たる(マジックホン事件)」という形で使える。
判決文から
「A公社の架設する電話回線において、発信側電話機に対する課金装置を作動させるため受信側から発信側に送出される応答信号は、有線電気通信法二条一項にいう「符号」にあたり」
応答信号が「符号」に当たるとした判示部分
「応答信号の送出を妨害するとともに発信側電話機に対する課金装置の作動を不能にした行為が、有線電気通信妨害罪(同法二一条)及び偽計業務妨害罪にあたるとした原判断は、正当である。」
両罪の成立を認めた結論部分
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
