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弁護士鞄奪取事件

最決昭和59年3月23日

弁護士から業務上重要な書類在中の鞄を奪取・隠匿する行為は、刑法234条の「威力」を用いた場合にあたるとした決定

刑法自由・名誉・信用に対する罪公務執行妨害・職務に関する罪本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H27・司法R2・予備R6

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和57(あ)987 威力業務妨害
裁判
決定・棄却
判例集
刑集 第38巻5号2030頁
参照法条
刑法234条,軽犯罪法1条31号

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

弁護士の業務用鞄の奪取隠匿行為が刑法二三四条にいう「威力ヲ用ヒ」た場合にあたるとされた事例

裁判要旨

弁護士からその業務にとつて重要な書類が在中する鞄を奪取して隠匿する行為は、刑法二三四条にいう「威力ヲ用ヒ」た場合にあたる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被告人は、弁護士である被害者が勤務する弁護士事務所で、被害者が携行していた鞄を奪い取った。鞄には訟廷日誌や訴訟記録などが入っていた。被告人はこの鞄を2か月余りの間自宅に隠し、被害者の弁護士活動を困難にさせた。

第一審は威力業務妨害罪(刑法234条)の成立を認め、原審(東京高裁)もこれを是認した。被告人側は上告し、被告人本人は事実誤認を主張した。弁護人は憲法31条違反などを主張したが、最高裁はその実質を事実誤認・単なる法令違反と判断した。最高裁は上告を棄却し、そのうえで職権により「なお」書きで「威力」の該当性について判断を示した。

争点

  • 弁護士業務にとって重要な書類が在中する鞄を奪取し隠匿する行為が、刑法234条の「威力ヲ用ヒ」た場合にあたるか
  • 威力業務妨害罪における「威力」の意義(偽計業務妨害罪の「偽計」との区別)

判旨

結論として、上告は棄却され、威力業務妨害罪の成立を認めた原判断は正当とされた。

規範:刑法234条の「威力」とは、被害者の意思を制圧するに足りる勢力を用いることをいう。

当てはめ:弁護士業務にとって重要な書類(訟廷日誌・訴訟記録等)が入った鞄を奪い取り、これを隠匿する行為は、被害者の意思を制圧するに足りる勢力を用いたものといえる。したがって「威力ヲ用ヒ」た場合(現行条文では「威力を用いて」)にあたる。

判決文から

「弁護士業務にとつて重要な書類が在中する鞄を奪取し隠匿する行為は、被害者の意思を制圧するに足りる勢力を用いたものということができるから、刑法二三四条にいう「威力ヲ用ヒ」た場合にあたり」

威力の定義と当てはめを示す核心部分

「同人が携行する訟廷日誌、訴訟記録等在中の鞄を奪い取り、これを二か月余りの間自宅に隠匿し、同人の弁護士活動を困難にさせた」

威力評価の基礎となった具体的事実

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。