建築確認と工事完了(仙台建築確認取消訴訟)
建築確認の効果は工事を可能にすることに尽きるため、工事が完了すれば建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われる。
出題:予備H28・予備R3・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和58(行ツ)35 建築基準法による確認処分取消
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第38巻10号1169頁
- 参照法条
- 行政事件訴訟法9条,建築基準法6条1項
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
工事が完了した場合における建築確認の取消を求める訴えの利益の有無
裁判要旨
建築基準法六条一項による確認を受けた建築物の建築等の工事が完了したときは、右確認の取消を求める訴えの利益は失われる。
解説
事案
上告人は、建築基準法6条1項に基づく本件各建築確認の取消しを求めて取消訴訟を提起した。
- 原審(仙台高裁)は、本件各建築確認に係る各建築物の工事がすでに完了していることを適法に確定した。
- そのうえで、上告人には本件各建築確認の取消しを求める訴えの利益がないと判断した。
上告人は、工事完了後も訴えの利益が残ると主張して上告した。争点は、建築確認の取消訴訟で、対象建築物の工事完了後もなお行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益」が認められるかである。
争点
- 建築確認に係る建築物の工事が完了した場合、建築確認の取消しを求める訴えの利益(行政事件訴訟法9条1項)は失われるか
- 建築確認の存在や、取消判決による取消しが、検査済証の交付(建築基準法7条)や違反是正命令(同法9条1項)に法的影響を及ぼすか
判旨
上告棄却。工事完了後は、建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われる。
規範:建築確認は、工事着手前に計画が建築関係規定に適合することを公権的に判断する行為である。その法的効果は「それを受けなければ工事をすることができない」という点に尽きる。したがって、当該工事が完了した場合には、建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われる。
理由の柱:
- 完了検査(7条)や違反是正命令(9条1項)は、建築物・敷地が法令に適合しているかを基準とする。建築確認に係る計画どおりかを基準とするものではない。
- 違反是正命令の発令は特定行政庁の裁量にゆだねられている。
- そのため、建築確認の存在は検査済証の交付拒否や違反是正命令の法的障害とならない。
- 確認が取り消されても、検査済証の交付拒否や違反是正命令の発令を義務づける法的拘束力は生じない。
判決文から
「建築関係規定に違反する建築物の出現を未然に防止することを目的としたものということができる。」
建築確認の目的を事前規制と位置づけた部分
「建築確認の存在は、検査済証の交付を拒否し又は違反是正命令を発する上において法的障害となるものではなく」
確認が後続の検査・是正命令を制約しないこと
「たとえ建築確認が違法であるとして判決で取り消されたとしても、検査済証の交付を拒否し又は違反是正命令を発すべき法的拘束力が生ずるものではない。」
取り消しても回復される法的地位がないこと
「建築確認は、それを受けなければ右工事をすることができないという法的効果を付与されているにすぎないものというべきであるから、当該工事が完了した場合においては、建築確認の取消しを求める訴えの利益は失われるものといわざるを得ない。」
結論と規範の核心部分
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
