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最判昭和58年9月6日

不法行為と相当因果関係に立つ弁護士費用の賠償債務も、不法行為の時に発生し、同時に履行遅滞となるとした判例

刑事訴訟法訴因変更債務不履行・損害賠償訴因と公訴事実の同一性本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H22・予備H30

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和55(オ)1113 損害賠償
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第37巻7号901頁
参照法条
民法412条,民法709条,自動車損害賠償保障法3条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

不法行為と相当因果関係に立つ損害である弁護士費用の賠償債務が履行遅滞となる時期

裁判要旨

不法行為と相当因果関係に立つ損害である弁護士費用の賠償債務は、当該不法行為の時に履行遅滞となるものと解すべきである。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

自動車事故の被害者(被上告人)が、加害車両について運行供用者責任(自動車損害賠償保障法3条)を負うとされた上告人に対し、損害賠償を請求した事案である。

上告人は二点を争って上告した。

  • 自分は運行供用者に当たらない。
  • 弁護士費用に係る損害の遅延損害金の起算点が不当である。

原審は次のように判断した。

  • 上告人は事故当時、本件自動車の運行支配と運行利益を有していたとして、運行供用者責任を肯定した。
  • 被上告人の訴訟追行のための弁護士費用のうち、本件事故と相当因果関係のある損害を8万円と認めた。
  • この8万円について、本件事故後である昭和52年7月19日から完済まで、年5分の割合による遅延損害金の支払義務があるとした。

上告理由のうち、弁護士費用に係る損害がいつから遅滞に陥るかが判示事項となった。

争点

  • 不法行為と相当因果関係に立つ損害である弁護士費用の賠償債務は、いつ履行遅滞となるか(民法412条、709条)
  • 弁護士費用の損害と、その余の費目の損害との関係(一個の損害賠償債務か)
  • 運行支配・運行利益を有する者の運行供用者責任(自賠法3条)

判旨

上告棄却。

結論:不法行為と相当因果関係に立つ損害である弁護士費用の賠償債務は、当該不法行為の時に発生し、かつ遅滞に陥る。

規範(答案用)

  • 不法行為の被害者が訴えの提起を余儀なくされ、訴訟追行を弁護士に委任した場合、その弁護士費用は不法行為と相当因果関係に立つ損害となる。ただし、事案の難易、請求額、認容額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内に限る。
  • 不法行為に基づく損害賠償債務は、催告を要せず、損害の発生と同時に遅滞に陥る。
  • 弁護士費用の損害は、その余の費目の損害と同一の不法行為による同一利益の侵害に基づく限り、一個の損害賠償債務の一部を構成する。したがって、不法行為時に発生し、同時に遅滞に陥る。
  • 損害額は、被害者が不法行為時から弁護士費用の支払時までの中間利息を不当に利得しないように算定すべきである。

判決文から

「不法行為に基づく損害賠償債務は、なんらの催告を要することなく、損害の発生と同時に遅滞に陥るものと解すべきところ」

不法行為債務の遅滞時期の一般原則(大前提)

「その余の費目の損害と同一の不法行為による身体傷害など同一利益の侵害に基づいて生じたものである場合には一個の損害賠償債務の一部を構成するものというべきである」

弁護士費用を他の損害と一体とみる根拠

「右弁護士費用につき不法行為の加害者が負担すべき損害賠償債務も、当該不法行為の時に発生し、かつ、遅滞に陥るものと解するのが相当である。」

本判決の結論部分

「被害者が弁護士費用につき不法行為時からその支払時までの間に生ずることのありうべき中間利息を不当に利得することのないように算定すべきものであることは、いうまでもない。」

不法行為時起算とする代わりの調整

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。