最判昭和58年10月4日
債権譲受人と差押・転付債権者の優劣は、確定日付ある通知の到達(承諾)時と差押命令の第三債務者への送達時の先後で決まる
出題:司法H29・司法R1
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和56(オ)1230 損害賠償
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 集民 第140号1頁
- 参照法条
- 民法467条,民訴法598条(昭和54年法律第4号による改正前のもの)
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
債権の譲受人と同一債権に対し債権差押命令及び転付命令を得た者との間の優劣の基準
裁判要旨
債権の譲受人と同一債権に対し債権差押命令及び転付命令を得た者との間の優劣は、確定日付ある通知が債務者に到達した日時又は確定日付ある債務者の承諾の日時と債権差押命令が第三債務者たる右債務者に送達された日時の先後によつて決すべきである。
解説
事案
ある債権について、債権譲渡を受けた譲受人と、同じ債権に対して債権差押命令と転付命令を得て執行した者とがおり、どちらが優先するかが争われた(事件名は損害賠償)。
- 原審(東京高裁)は、両者の優劣を、確定日付ある譲渡通知が債務者に到達した日時(または確定日付ある債務者の承諾の日時)と、差押命令が第三債務者に送達された日時の先後で決すべきだと判断した。
- 上告人は、この判断が判例に反すると主張して上告した。
- 参照法条は民法467条と、旧民訴法598条(昭和54年改正前のもの。差押命令の送達による効力発生に関する規定)である。
争点
- 債権の譲受人と、同じ債権について債権差押・転付命令を得た者との優劣は、何を基準に決めるか
- 仮差押えと債権譲渡の競合に関する先例(最判昭和49年3月7日)の到達時基準は、差押・転付命令の場合にも及ぶか
判旨
上告棄却。
規範:債権の譲受人と、同じ債権に対し債権差押命令・転付命令を得た者との優劣は、次の2つの日時の先後で決める。
- 譲受人側:確定日付ある通知が債務者に到達した日時、または確定日付ある債務者の承諾の日時
- 差押債権者側:債権差押命令が第三債務者(債務者)に送達された日時
比べるのは、確定日付の日付そのものでも、差押命令の発令日でもない。両者がそれぞれ債務者に届いた時点である。仮差押えについての最判昭和49年3月7日の基準は、差押・転付命令の場合にも「なんら異なるものではない」とした。
判決文から
「債権の譲受人と同一債権に対し仮差押命令の執行をした者との間の優劣は、確定日付のある譲渡通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時と仮差押命令が第三債務者に送達された日時の先後によつて決すべきものである」
引用する先例(昭和49年判決)の基準。比べる日時を特定
「この理は、本件におけるように債権の譲受人と同一債権に対し債権差押・転付命令の執行をした者との間の優劣を決する場合においても、なんら異なるものではないと解するのが相当である」
先例の基準を差押・転付命令の事案に及ぼした本判決の核心
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