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堀木訴訟

最大判昭和57年7月7日

児童扶養手当と障害福祉年金の併給禁止規定を、25条の広い立法裁量論により合憲とし、14条・13条違反も否定した

憲法社会権(生存権・教育・労働)法の下の平等人権総論・享有主体本試験で 27 問(短答 26・論文 1)

出題:司法H22・司法H24・司法H25・司法H26・司法H27・司法H28・司法H29・司法R3・司法R4・司法R5・司法R7・司法R8・予備H27・予備H29・予備R3

裁判所
最高裁判所大法廷
事件番号
昭和51(行ツ)30 行政処分取消等
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第36巻7号1235頁
参照法条
児童扶養手当法(昭和48年法律第93号による改正前のもの)4条3項3号,憲法13条,憲法14条,憲法25条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 児童扶養手当法(昭和四八年法律第九三号による改正前のもの)四条三項三号と憲法二五条 二 児童扶養手当法(昭和四八年法律第九三号による改正前のもの)四条三項三号と憲法一四条、一三条

裁判要旨

一 児童扶養手当法(昭和四八年法律第九三号による改正前のもの)四条三項三号は、憲法二五条に違反しない。 二 児童扶養手当法(昭和四八年法律第九三号による改正前のもの)四条三項三号は、憲法一四条、一三条に違反しない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

上告人は、国民年金法別表の1級1号に当たる視力障害者で、同法に基づく障害福祉年金を受給していた。上告人は、内縁の夫と離別した後、その夫との間の男子を独力で養育していた。

上告人は昭和45年、児童扶養手当法に基づく児童扶養手当の受給資格の認定を請求した。しかし被上告人はこれを却下し、異議申立ても棄却した。理由は、上告人が障害福祉年金を受給しているため、昭和48年改正前の児童扶養手当法4条3項3号(公的年金との併給を禁じる本件併給調整条項)に当たり、受給資格を欠くというものである。

上告人は、この条項が憲法25条・14条・13条に違反すると主張して処分の取消し等を求めた。原審(大阪高裁)は請求を排斥し、上告人が上告した。

争点

  • 併給調整条項は憲法25条に違反するか(25条の法的性格と立法裁量の審査基準)
  • 障害福祉年金受給者を児童扶養手当の受給から排除することは憲法14条に違反するか
  • 併給調整条項は児童の個人の尊厳を害し、憲法13条に違反するか

判旨

上告棄却。本件併給調整条項は憲法25条、14条、13条のいずれにも違反しない。

  • 25条の規範:25条の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定は、立法府の広い裁量にゆだねられる。それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえないような場合を除き、裁判所が審査判断するのに適しない。
  • 同一の性格をもつ公的年金の間で併給調整を行うかどうかは、立法府の裁量の範囲に属する。給付額の決定も立法政策上の裁量事項であり、低額であることが当然に25条違反となるわけではない。
  • 14条・13条の規範:25条の要請にこたえて制定された法令でも、受給者の範囲・支給要件・支給金額等について、なんら合理的理由のない不当な差別的取扱いをしたり、個人の尊厳を毀損する内容の定めを設けたりすれば、別に14条・13条違反の問題が生じうる。
  • 本件の差別は、なんら合理的理由のない不当なものとはいえない。13条に違反する恣意的・不合理な立法ともいえない。

判決文から

「具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定は、立法府の広い裁量にゆだねられており、それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるをえないような場合を除き、裁判所が審査判断するのに適しない事柄である」

25条の立法裁量に対する審査基準そのもの

「「健康で文化的な最低限度の生活」なるものは、きわめて抽象的・相対的な概念であつて、その具体的内容は、その時々における文化の発達の程度、経済的・社会的条件、一般的な国民生活の状況等との相関関係において判断決定されるべきもの」

広い裁量を認める根拠(概念の抽象性・相対性)

「社会保障給付の全般的公平を図るため公的年金相互間における併給調整を行うかどうかは、さきに述べたところにより、立法府の裁量の範囲に属する事柄と見るべきである。」

併給調整は立法裁量事項であるとの当てはめ

「この種の立法における給付額の決定も、立法政策上の裁量事項であり、それが低額であるからといつて当然に憲法二五条違反に結びつくものということはできない。」

給付が低額でも直ちに違憲とはならない

「受給者の範囲、支給要件、支給金額等につきなんら合理的理由のない不当な差別的取扱をしたり、あるいは個人の尊厳を毀損するような内容の定めを設けているときは、別に所論指摘の憲法一四条及び一三条違反の問題を生じうることは否定しえない」

社会保障立法にも14条・13条の審査が及ぶ

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。