最判昭和57年6月4日
不動産の代物弁済では、所有権は原則として代物弁済契約の意思表示の時に移転し、登記は所有権移転の要件ではない。
民法物権総論・物権変動弁済・相殺本試験で 2 問(短答 2・論文 0)
出題:司法H25・司法R5
- 裁判所
- 最高裁判所第二小法廷
- 事件番号
- 昭和57(オ)111 所有権移転登記抹消登記手続
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 集民 第136号39頁
- 参照法条
- 民法176条,民法482条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
不動産を目的とする代物弁済と該不動産所有権移転の時期
裁判要旨
不動産を目的とする代物弁済契約の意思表示がされたときは、これにより該不動産の所有権移転の効果が生ずる。
解説
事案
被上告人が上告人に対し、所有権移転登記の抹消登記手続を求めた事件である。上告人は、代物弁済による所有権の取得を前提に争った。
- 原審(東京高裁):不動産の代物弁済によって所有権移転の効力が生ずるには、債権者への所有権移転登記が必要であると判断した。そのうえで、本件土地は被上告人の所有に属するとして請求を認容した。
- 上告理由:上告人は、登記を所有権移転の要件とした原審の判断は違法であると主張して上告した。
- 最高裁の結論:原審の上記判断は失当とした。ただし、原審は「上告人が主張する土地は原判示1506番3の土地であって本件土地ではない」と判示したものとも解しうるとして、結論において原判決を是認し、上告を棄却した。
争点
- 不動産を目的とする代物弁済において、所有権移転の効果はいつ生ずるか(民法176条)
- 代物弁済による債務消滅の効果が登記等の完了を要することと、所有権移転時期との関係(民法482条)
判旨
結論:上告棄却。原審の理由づけ(所有権移転には登記が必要)は誤りとしたが、結論は是認した。
規範
- 債務消滅の時期:不動産所有権の譲渡による代物弁済で債務が消滅するには、当事者の意思表示だけでは足りない。登記その他の引渡行為を完了し、第三者に対する対抗要件を具備したときに初めて債務消滅の効果が生ずる(最判昭和39年11月26日を引用)。
- 所有権移転の時期:上記のことは、代物弁済による所有権移転の効果が、原則として当事者間の代物弁済契約の意思表示によって生ずることを妨げない(最判昭和40年3月11日を引用)。
- したがって、所有権移転の効力発生に債権者への所有権移転登記を要するとした原審の判断は失当である。
判決文から
「不動産所有権の譲渡をもつてする代物弁済による債務消滅の効果は、単に当事者がその意思表示をするだけでは足りず、登記その他引渡行為を完了し、第三者に対する対抗要件を具備したときでなければ生じない」
債務消滅は登記等の完了時という前提の確認
「代物弁済による所有権移転の効果が、原則として当事者間の代物弁済契約の意思表示によつて生ずることを妨げるものではないと解するのが相当である」
所有権移転は意思表示時という本判決の核心
「原審が、不動産の代物弁済による所有権移転の効力を生ずるためには債権者への所有権移転登記がされなければならないと判断したのは失当である」
登記を所有権移転の要件とする見解の否定
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
