盛岡用途地域指定事件
工業地域指定(用途地域指定)は効果が一般的抽象的にとどまるとして、抗告訴訟の対象となる処分性を否定した判例
出題:司法H22・司法R2・予備H29・予備R8
- 裁判所
- 最高裁判所第一小法廷
- 事件番号
- 昭和53(行ツ)62 盛岡広域都市計画用途地域指定無効確認
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第36巻4号705頁
- 参照法条
- 都市計画法8条1項1号,行政事件訴訟法3条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
都市計画法八条一項一号の規定に基づく工業地域指定の決定と抗告訴訟の対象
裁判要旨
都市計画法八条一項一号の規定に基づく工業地域指定の決定は、抗告訴訟の対象とならない。
解説
事案
盛岡広域都市計画において、都市計画法8条1項1号に基づき、ある区域を工業地域に指定する都市計画決定がされた。上告人らはこの工業地域指定の決定の無効確認を求めて訴えを提起した。
工業地域指定が告示されて効力を生ずると、当該地域内では建築物の用途・容積率・建ぺい率等について従前と異なる基準が適用される(建築基準法48条7項、52条1項3号、53条1項2号等)。これに適合しない建築物は建築確認を受けられず、建築等ができなくなる(同法6条4項、5項)。
原審(仙台高裁)は、本件指定は抗告訴訟の対象となる処分に当たらないと判断した。上告人らは違憲の主張を含めて上告した。
争点
- 都市計画法8条1項1号に基づく工業地域指定(用途地域指定)の決定は、抗告訴訟の対象となる「処分」(行政事件訴訟法3条)に当たるか
- 指定に伴う土地利用計画の事実上の制約や地価・土地環境への影響は、処分性の判断を左右するか
判旨
上告棄却。工業地域指定の決定は抗告訴訟の対象となる処分に当たらない。
規範
- 用途地域指定は、地域内の土地所有者等に建築基準法上の新たな制約を課し、その限度で一定の法状態の変動を生じさせる。
- しかしその効果は、同様の制約を課す法令が制定された場合と同じく、地域内の不特定多数の者に対する一般的抽象的なものにすぎない。
- したがって、そのような効果があるというだけで、直ちに個人に対する具体的な権利侵害を伴う処分があったとはいえない。
- 将来の土地利用計画への事実上の制約や、地価・土地環境への影響が予想されても、この結論は左右されない。
- 現実に建築を妨げられている者は、建築の実現を阻止する具体的処分(建築確認の拒否等)の取消訴訟で、地域指定の違法を主張して救済を受けられる。
判決文から
「右決定が、当該地域内の土地所有者等に建築基準法上新たな制約を課し、その限度で一定の法状態の変動を生ぜしめるものであることは否定できないが」
法的効果の存在自体は認めている点
「かかる効果は、あたかも新たに右のような制約を課する法令が制定された場合におけると同様の当該地域内の不特定多数の者に対する一般的抽象的なそれにすぎず」
処分性否定の核心=法令類似の一般的抽象的効果
「将来における土地の利用計画が事実上制約されたり、地価や土地環境に影響が生ずる等の事態の発生も予想されるが、これらの事由は未だ右の結論を左右するに足りるものではない。」
事実上の不利益では処分性は肯定されない
「右の者は右建築の実現を阻止する行政庁の具体的処分をとらえ、前記の地域指定が違法であることを主張して右処分の取消を求めることにより権利救済の目的を達する途が残されていると解される」
後続処分で争えるという救済の補完論
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
