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最判昭和56年7月14日

青色申告の更正処分の取消訴訟で、課税庁が付記理由と異なる事実を主張することを、相手方に格別の不利益がないとして認めた事例

行政法情報公開・個人情報取消訴訟の審理・判決公訴の提起・起訴便宜主義本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:司法H23・予備H28

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和52(行ツ)62 法人税更正処分取消
裁判
判決・棄却
判例集
民集 第35巻5号901頁
参照法条
旧法人税法(昭和22年法律第28号)32条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

青色申告書による法人税の申告についてした更正処分の取消訴訟において課税庁が更正の理由と異なる事実を主張することができるとされた事例

裁判要旨

青色申告書による法人税の申告について不動産の取得価額が申告額より低額であることを更正の理由としてした更正処分の取消訴訟において、課税庁は、当該処分の適否に関する攻撃防禦方法として、当該不動産の販売価額が申告額より多額であることを主張することができる。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

宅地の分譲販売等を業とする上告人(法人)は、係争事業年度に本件不動産を7600万9600円で取得し、7000万円で販売したとして、青色申告書で法人税の確定申告をした。

課税庁である被上告人は、本件不動産の取得価額は6000万円であるとし、他の理由とともにこれを更正の理由として更正通知書に付記したうえで、更正処分をした(旧法人税法32条参照)。

上告人は更正処分の取消訴訟を提起した。被上告人は訴訟の中で、新たな攻撃防御方法として次の追加主張をした。すなわち、仮に取得価額が7600万9600円であるとしても、販売価額は9450万円であるから、いずれにしても更正処分は適法である、というものである。この追加主張は準備手続では提出されておらず、準備手続終結後の口頭弁論で提出された。

原審は追加主張の提出を許した。上告人は、付記理由と異なる新事実の主張は許されず、原判決は最判昭和47年12月5日に違背すると主張して上告した。

争点

  • 青色申告に係る更正処分の取消訴訟で、課税庁は更正通知書に付記した更正の理由と異なる事実を、処分の適否に関する攻撃防御方法として主張できるか(理由の差替え)
  • 準備手続で提出されなかった追加主張を、準備手続終結後の口頭弁論で提出することが許されるか

判旨

結論:上告棄却。課税庁が追加主張を提出することは妨げられない。

理由の差替えについて

  • 本件では、付記理由は「不動産の取得価額が申告額より低額である」というものであった。これに対し、訴訟で「販売価額が申告額より多額である」と主張することは、更正処分を争う被処分者に格別の不利益を与えるものではない。したがって、処分の適否に関する攻撃防御方法としてこの主張をすることは許される。
  • ただし、青色申告の更正処分の取消訴訟で、付記理由と異なるいかなる事実をも主張できるかどうかという一般論は留保した(「ともかく」)。
  • このように解しても、上告人が引用した最判昭和47年12月5日の趣旨には反しない。

答案用の規範:付記理由と異なる事実の主張であっても、被処分者に格別の不利益を与えない場合には、取消訴訟での主張(理由の差替え)が許される。

準備手続について:追加主張を準備手続で提出しなかったことは故意・重過失によらず、提出を許しても訴訟を著しく遅滞させないとした原審の判断を是認した。

判決文から

「このような場合に被上告人に本件追加主張の提出を許しても、右更正処分を争うにつき被処分者たる上告人に格別の不利益を与えるものではないから」

差替えを許す実質的根拠=格別の不利益の不存在

「一般的に青色申告書による申告についてした更正処分の取消訴訟において更正の理由とは異なるいかなる事実をも主張することができると解すべきかどうかはともかく」

一般論を留保した事例判断であることを示す

「そして、右のように解しても、所論引用の判例の趣旨に反するものではない。」

昭和47年判例との抵触を否定

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。