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弁護士顧問料事件

最判昭和56年4月24日

減額再更正処分は当初更正処分の一部取消しにすぎず、納税者にはその取消しを求める訴えの利益がない

行政法取締役・取締役会・代表取締役取消訴訟の訴訟要件本試験で 2 問(短答 2・論文 0)

出題:司法H25・予備H26

裁判所
最高裁判所第二小法廷
事件番号
昭和52(行ツ)12 所得税更正決定処分取消
裁判
判決・その他
判例集
民集 第35巻3号672頁
参照法条
国税通則法26条,国税通則法29条2項,行政事件訴訟法9条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

いわゆる減額再更正処分の取消を求める訴の利益の有無

裁判要旨

いわゆる減額再更正処分につき、納税者は、その取消を求める訴の利益を有しない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

上告人は自己の法律事務所を営む弁護士である。上告人の昭和42年分所得税について、税務署長(被上告人)は昭和45年11月16日付で更正処分(当初更正処分)をした。その後、昭和46年6月9日付で税額を減らす再更正処分(減額再更正処分)をした。上告人は両処分の取消しを求めて提訴し、実体上の争点は、複数の会社から受け取る弁護士顧問料が事業所得か給与所得かであった。

第一審・原審は、再更正処分を当初処分とは別個独立の課税処分とみた。そのうえで、当初更正処分は再更正処分に吸収されて実体を失ったとして、当初処分の取消しの訴えを却下した。一方、再更正処分については本案判断をし、顧問料は事業所得にあたるとして請求を退けた。上告人が上告した。

争点

  • 減額再更正処分の取消しを求める訴えの利益の有無(行政事件訴訟法9条、国税通則法29条2項)
  • 減額再更正がされた場合、納税者はどの処分の取消しを求めるべきか
  • 弁護士の顧問料収入は事業所得(所得税法27条1項)か給与所得(同法28条1項)か

判旨

結論:昭和42年分について原判決を破棄し、第一審判決を取り消した。そのうえで、再更正処分の取消しの訴えは訴えの利益がないとして却下し、当初更正処分の取消請求は棄却した。

規範(訴えの利益):減額再更正処分は、減少した税額部分についてのみ法的効果を及ぼす(国税通則法29条2項)。再更正の理由のいかんを問わず、当初処分とは別個独立の課税処分ではない。その実質は当初処分の変更であり、税額の一部取消しという納税者に有利な処分である。したがって、納税者は減額再更正処分の取消しを求める訴えの利益を有しない。救済は、もっぱら減額された当初の更正処分の取消しを求めることで足りる。

規範(所得区分):事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性・有償性を有し、反覆継続して遂行する意思と社会的地位が客観的に認められる業務から生ずる所得をいう。給与所得とは、雇傭契約またはこれに類する原因に基づき、使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいう。本件の顧問料は事業所得にあたる。

判決文から

「それ自体は、再更正処分の理由のいかんにかかわらず、当初の更正処分とは別個独立の課税処分ではなく、その実質は、当初の更正処分の変更であり、それによつて、税額の一部取消という納税者に有利な効果をもたらす処分と解するのを相当とする。」

減額再更正の法的性質=当初処分の一部取消し

「納税者は、右の再更正処分に対してその救済を求める訴の利益はなく、専ら減額された当初の更正処分の取消を訴求することをもつて足りるというべきである。」

訴えの利益否定と、争うべき対象の特定

「事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいい、」

事業所得の定義(判断の一応の基準)

「給与所得とは雇傭契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいう。」

給与所得の定義(指揮命令・従属性)

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。