日産自動車事件
女子の定年を男子より低く定めた就業規則を、性別のみによる不合理な差別として民法90条により無効とした
出題:司法R1・司法R4・司法R5
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和54(オ)750 雇傭関係存続確認等
- 裁判
- 判決・棄却
- 判例集
- 民集 第35巻2号300頁
- 参照法条
- 憲法14条1項,民法1条ノ2,民法90条,労働基準法第1章総則
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
定年年齢を男子六〇歳女子五五歳と定めた就業規則中女子の定年年齢を男子より低く定めた部分が性別のみによる不合理な差別を定めたものとして民法九〇条の規定により無効とされた事例
裁判要旨
会社がその就業規則中に定年年齢を男子六〇歳、女子五五歳と定めた場合において、担当職務が相当広範囲にわたつていて女子従業員全体を会社に対する貢献度の上がらない従業員とみるべき根拠はなく、労働の質量が向上しないのに実質賃金が上昇するという不均衡は生じておらず、少なくとも六〇歳前後までは男女とも右会社の通常の職務であれば職務遂行能力に欠けるところはなく、一律に従業員として不適格とみて企業外へ排除するまでの理由はないなど、原判示の事情があつて、会社の企業経営上定年年齢において女子を差別しなければならない合理的理由が認められないときは、右就業規則中女子の定年年齢を男子より低く定めた部分は、性別のみによる不合理な差別を定めたものとして民法九〇条の規定により無効である。
解説
事案
上告会社(日産自動車)の就業規則は、定年年齢を男子60歳、女子55歳と定めていた。この男女別定年制をめぐり、女子従業員側が会社を相手に雇傭関係存続確認等を求めた。
原審(東京高裁)は、次の事情を検討した。
- 女子従業員の担当職種
- 男女従業員の勤続年数
- 高齢女子労働者の労働能力
- 定年制の一般的現状
そのうえで、会社の企業経営上、定年年齢で女子を差別しなければならない合理的理由は認められないと判断し、女子の定年を低く定めた部分を無効とした。会社はこれを不服として上告し、原審の事実認定の誤りや違憲などを主張した。
争点
- 私企業の就業規則で女子の定年年齢を男子より低く定めることは許されるか(私人間における性差別の効力)
- 私人間の差別的取扱いを、憲法14条1項の趣旨を踏まえ民法90条(公序良俗)で無効とできるか
判旨
上告棄却。
判断基準:男女別定年制に合理性があるかは、女子従業員の担当職種、男女の勤続年数、高齢女子労働者の労働能力、定年制の一般的現状など諸般の事情から、企業経営上の観点から定年年齢において女子を差別しなければならない合理的理由があるかで判断する。
本件の結論:そのような合理的理由が認められない以上、就業規則のうち女子の定年年齢を男子より低く定めた部分は、専ら女子であることのみを理由とする差別に帰着する。したがって、性別のみによる不合理な差別を定めたものとして民法90条により無効である(憲法14条1項、民法1条ノ2参照)。
判決文から
「専ら女子であることのみを理由として差別したことに帰着するものであり、性別のみによる不合理な差別を定めたものとして民法九〇条の規定により無効であると解するのが相当である(憲法一四条一項、民法一条ノ二参照)」
結論部分。憲法は「参照」にとどめ民法90条で無効とした
「上告会社の企業経営上の観点から定年年齢において女子を差別しなければならない合理的理由は認められない」
合理性の判断枠組み(企業経営上の合理的理由の有無)
「一律に従業員として不適格とみて企業外へ排除するまでの理由はない」
個人差は個別に評価すべきで一律排除は不可とする視点
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
