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最判昭和55年12月18日

安全配慮義務違反による損害賠償債務は請求時から遅滞に陥り、遺族は固有の慰謝料請求権を持たないとした判例

民法債務不履行・損害賠償弁済・相殺不法行為本試験で 4 問(短答 4・論文 0)

出題:司法H22・司法H27・司法R2・司法R6

裁判所
最高裁判所第一小法廷
事件番号
昭和51(オ)1089 損害賠償
裁判
判決・その他
判例集
民集 第34巻7号888頁
参照法条
民法412条,民法415条

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

一 安全保証義務違背を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務の履行遅滞となる時期 二 安全保証義務違背の債務不履行により死亡した者の遺族と固有の慰藉料請求権の有無

裁判要旨

一 安全保証義務違背を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務は、期限の定めのない債務であり、債権者から履行の請求を受けた時に履行遅滞となる。 二 安全保証義務違背の債務不履行により死亡した者の遺族は、固有の慰藉料請求権を有しない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

被上告人B株式会社の塗装工として働いていたD(当時31歳)が、昭和43年1月22日の事故で死亡した。Dの両親である上告人らは、Dの損害賠償債権を2分の1ずつ相続したとして、被上告人らに損害賠償を請求した。請求は、不法行為に基づく請求と、雇傭契約上の安全保証義務違背(安全配慮義務違反)を理由とする債務不履行に基づく請求の択一的な形でなされた。原審が認めたのは債務不履行構成の請求である。この請求は、昭和48年11月26日付の準備書面で初めて主張された。準備書面は同日、第一審裁判所に提出され、法廷で被上告人ら代理人に交付された。上告人らは、事故翌日からの遅延損害金を求めた。原審は、Dの過失を5割とする過失相殺と、労災保険の遺族補償年金の控除をしたうえで請求を一部認容した。遅延損害金は昭和51年1月21日以降の分だけを認め、昭和48年11月27日から昭和51年1月20日までの分は理由を付さずに棄却した。原審はまた、上告人ら固有の慰藉料を各50万円認容した。上告人らが上告した。

争点

  • 安全配慮義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償債務は、いつから履行遅滞となるか
  • 安全配慮義務違反の債務不履行により死亡した者の遺族は、固有の慰謝料請求権を取得するか

判旨

原判決の一部を破棄・自判し、その余の上告を棄却した。

  • 遅滞時期:債務不履行に基づく損害賠償債務は期限の定めのない債務である。したがって民法412条3項により、債務者は債権者から履行の請求を受けた時に初めて遅滞に陥る。本件では、債務不履行構成の請求を初めて主張した準備書面が交付された昭和48年11月26日に遅滞となる。遅延損害金はその翌日である同月27日から発生する。事故翌日からの遅延損害金請求のうち、それ以前の分は理由がない。
  • 遺族固有の慰謝料:雇傭契約ないしこれに準ずる法律関係の当事者でない遺族は、その法律関係上の債務不履行によって固有の慰謝料請求権を取得しない。

判決文から

「損害賠償債務は期限の定めのない債務であり、民法四一二条三項によりその債務者は債権者からの履行の請求を受けた時にはじめて遅滞に陥るものというべきである」

遅滞時期の規範。412条3項を根拠とする

「被上告人らは同日限り右損害賠償債務について遅滞に陥つたものというべきであり」

準備書面の交付日に遅滞、翌日から遅延損害金

「亡Dと被上告人らとの間の雇傭契約ないしこれに準ずる法律関係の当事者でない上告人らが雇傭契約ないしこれに準ずる法律関係上の債務不履行により固有の慰藉料請求権を取得するものとは解しがたい」

契約当事者でない遺族は固有の慰謝料を取得しない

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。