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最判昭和55年11月25日

運転免許停止処分後、無違反・無処分で1年が過ぎれば訴えの利益はない。名誉・信用は事実上の利益にとどまる

行政法取消訴訟の訴訟要件行政立法・行政計画行政裁量本試験で 3 問(短答 3・論文 0)

出題:予備H28・予備R3

裁判所
最高裁判所第三小法廷
事件番号
昭和53(行ツ)32 審査請求棄却処分取消、運転免許停止処分取消
裁判
判決・破棄自判
判例集
民集 第34巻6号781頁
参照法条
行政事件訴訟法9条,道路交通法103条2項,道路交通法施行令38条1項2号

判示事項・裁判要旨

裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)

判示事項

自動車運転免許効力停止処分後無違反・無処分で一年を経過した場合と右処分の取消を求める訴の利益

裁判要旨

自動車運転免許の効力停止処分を受けた者は、免許の効力停止期間を経過し、かつ、右処分の日から無違反・無処分で一年を経過したときは、右処分の取消によつて回復すべき法律上の利益を有しない。

判決全文(裁判所ウェブサイト)

解説

事案

福井県警察本部長は、昭和48年12月17日、被上告人に対し、自動車運転免許の効力を30日間停止する処分(本件原処分)をした。同日、停止期間は29日短縮された。被上告人は審査請求をしたが棄却され(本件裁決)、本件原処分と本件裁決の取消しを求めて出訴した。被上告人は、本件原処分の日から満1年間、無違反・無処分で過ごした。

原審(名古屋高裁金沢支部)は、次の理由で本件裁決取消しの訴えを適法とし、本案の判断をした。

  • 処分の記載がある免許証を持ち歩くことで、警察官に処分の存在を知られる。
  • そのため、名誉・感情・信用等を損なう可能性が常に続いている。
  • この可能性を取り除くことは、法の保護に値する利益である。

これに対し、行政庁側が上告した。

争点

  • 効力停止期間が経過し、処分の日から無違反・無処分で1年が経過した後も、運転免許効力停止処分(およびその審査請求棄却裁決)の取消しを求める訴えの利益があるか(行政事件訴訟法9条、現行9条1項括弧書き)
  • 処分歴が記載された免許証の所持により名誉・感情・信用等を損なう可能性は、「回復すべき法律上の利益」に当たるか

判旨

結論:訴えの利益はない。原判決を破棄し、第一審判決を取り消して、訴えを却下した(裁判官全員一致)。

規範:処分の効果が期間の経過によりなくなった後も訴えの利益が残るかは、次の2点で判断する。

  • 当該処分を理由に、法令上、不利益を受けるおそれが残っているか。
  • 他に当該処分を理由に不利益に取り扱うことを認めた法令の規定があるか。

これらがなければ、回復すべき法律上の利益はない。

本件へのあてはめ

  • 停止期間の短縮により、処分の効果は処分の日1日の経過でなくなった。
  • 処分の日から1年を経過した日の翌日以降は、本件原処分を理由に道路交通法上不利益を受けるおそれもなくなった。
  • 他に不利益取扱いを認める法令の規定もない。

名誉・信用等について:免許証の記載により名誉・感情・信用等を損なう可能性があるとしても、それは処分がもたらす事実上の効果にすぎず、法律上の利益の根拠にはならない。

判決文から

「右事実によると本件原処分の効果は右処分の日一日の期間の経過によりなくなつたものであり」

処分の効果自体は期間経過で消滅したことの確認

「本件原処分の日から一年を経過した日の翌日以降、被上告人が本件原処分を理由に道路交通法上不利益を受ける虞がなくなつたことはもとより、他に本件原処分を理由に被上告人を不利益に取り扱いうることを認めた法令の規定はない」

法令上の不利益のおそれの有無で訴えの利益を判断

「このような可能性の存在が認められるとしても、それは本件原処分がもたらす事実上の効果にすぎないものであり」

名誉・信用等は事実上の利益で法律上の利益でない

この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。