最判昭和55年1月11日
確定日付ある二重譲渡通知が同時に到達したとき、各譲受人は債務者に全額を請求でき、債務者は弁済を拒めない
出題:司法H29・司法H30・司法R7・予備H24・予備H25・予備H29
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 事件番号
- 昭和53(オ)1199 譲受債権
- 裁判
- 判決・破棄自判
- 判例集
- 民集 第34巻1号42頁
- 参照法条
- 民法467条
判示事項・裁判要旨
裁判所ウェブサイトの判例情報より(原文のまま)
判示事項
指名債権が二重に譲渡され確定日付のある各譲渡通知が同時に債務者に到達した場合における譲受人の一人からする弁済請求
裁判要旨
指名債権が二重に譲渡され、確定日付のある各譲渡通知が同時に債務者に到達したときは、各譲受人は、債務者に対しそれぞれの譲受債権全額の弁済を請求することができ、譲受人の一人から弁済の請求を受けた債務者は、他の譲受人に対する弁済その他の債務消滅事由が存在しない限り、弁済の責を免れることができない。
解説
事案
訴外Dは、被上告人Yに電機部品を売り、123万0281円の売掛金債権(本件債権)を持っていた。上告人Xは、Dに630万円の貸金債権を持っており、昭和49年3月4日ごろ、貸金債権のうち対当額の弁済に代えて本件債権全部を譲り受けた。Dは同日付の内容証明郵便でYに譲渡を通知し、通知は同月6日午後0時から6時までの間に到達した。
Dは同月5日ごろ、訴外Eと訴外F社にもそれぞれ本件債権全部を譲渡した。各内容証明郵便による通知も、同じ6日午後0時から6時までの間にYに到達した。さらに同月6日、社会保険事務所がDの保険料等の滞納金(27万円余)を徴収するため本件債権を差し押さえ、差押通知書も同じ時間帯にYに到達した。
XはYに、譲受債権全額と商事法定利率年6分の遅延損害金を請求した。原審は、各通知の到達の先後が確定できず優劣を決められないとして、請求を排斥した。
争点
- 確定日付ある各譲渡通知が同時に債務者に到達した場合、譲受人の一人は債務者に全額の弁済を請求できるか
- 債務者は、同順位の譲受人が他にいることを理由に弁済を拒めるか
- 譲渡通知と差押通知が同時に到達した場合、譲受人は債務者に対し無条件の給付判決を得られるか
判旨
破棄自判。Xの請求を全部認容した。
規範
- 指名債権が二重に譲渡され、確定日付ある各譲渡通知が同時に債務者に到達したときは、各譲受人は債務者に、それぞれの譲受債権の全額の弁済を請求できる。
- 請求を受けた債務者は、他の譲受人への弁済その他の債務消滅事由がない限り、単に同順位の譲受人が他にいることを理由に弁済の責めを免れることはできない。
- 譲渡通知と債権差押通知が同時に到達した場合も、譲受人は債務者に給付訴訟を提起・追行し、無条件の勝訴判決を得られる。債務者は、強制執行の段階で、差押えがあることを執行上の障害として執行機関に呈示し、執行手続が満足的段階に進むのを阻止できるにとどまる。
原審のように、先後が確定できず優劣を決められないとして請求を排斥するのは、民法467条の解釈の誤りである。
判決文から
「指名債権が二重に譲渡され、確定日付のある各譲渡通知が同時に第三債務者に到達したときは、各譲受人は、第三債務者に対しそれぞれの譲受債権についてその全額の弁済を請求することができ」
同時到達なら各譲受人が全額を請求できるという規範
「譲受人の一人から弁済の請求を受けた第三債務者は、他の譲受人に対する弁済その他の債務消滅事由がない限り、単に同順位の譲受人が他に存在することを理由として弁済の責めを免れることはできない」
債務者の弁済拒絶を否定した部分。短答の頻出点
「右債権の譲受人は第三債務者に対してその給付を求める訴を提起・追行し無条件の勝訴判決を得ることができる」
差押えと同時到達でも無条件の給付判決が出る
この解説は AI が作成しています。判決全文に基づいて書き、別の AI が全文と照合して確認していますが、誤りが残っている可能性があります。 判決文の引用は全文と一字一句照合したものだけを載せています。大事な点は判決全文で確かめてください。
